読書感想文では「愉しむ読書」はできない

こういった取り組みは、まさに「愉しむ読書」といった読書研究の蓄積があって、出てきたもの。そういう研究が学校で活用されているにもかかわらず、「もっと良い本を読め」「その感想を書け」という考えが根強く、いまだに読書感想文という制度がなくならないのは疑問でしかありません。

もう、そろそろ読書感想文という制度はなくすべきです。

でも最近は、読書感想文の課題図書のラインナップも変わってきたようです。昔は、物語一辺倒でしたが、最近は工場でものができるまで、といった内容の本も入ってきています。とはいえ、大人は読書感想文を強いることで、子供を読書嫌いにさせないように気をつけたいものです。

図書館の閲覧テーブルで友達と笑いながら本を広げている少女
写真=iStock.com/JGalione
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自分の悩みを解決する本に出会う方法とは

子供を読書好きにするには、とにかく自分の好きな本を読むことです。では、好きな本を見つけるにはどうしたらよいか。

実は、多くの人にとって本の出会い方というのは限られています。書店や図書館でたまたま見つけた、新聞の書評に紹介されている、あるいは本好きの知り合いに教えてもらう……つまりほぼ全て偶然に頼っているわけです。

そうした偶然性を高めるのに、図書館はおすすめです。私自身、小学校のときに徒歩圏内に図書館ができて、足を運ぶようになり、そこから本をよく読むようになりましたから。図書館には似たようなテーマの本がたくさん集まっているので、自分が興味のある本を手に取ってパラパラめくってダメなら戻す。そして、また隣の本をとる。

さらに偶然性を高めるなら、借りた本が返却される“返却コーナー”もチェックしてほしいですね。誰かが一度、借りた選りすぐりの本なので、面白い本に出会える確率が高い。一覧できるし、そのコンパクトさが、むしろ出会いやすくしています。本を探すのがうまい人は、たいてい返却本をチェックしていますね。

それから図書館をうまく活用することで、偶然でないやり方で、本と出会うこともできます。つまり自分の知りたいこと情報ニーズを、自分がまだ存在も知らない本に結びつけることができる。

例えば「足が遅い」という悩みがあったとします。そこで図書館に行き、検索システムの「件名」から探せば、足が速くなるための本を見つけることができます。

件名とは、本の主題を表すキーワードのこと。私たちが、図書館で利用する検索機は、タイトルや著者名で探すのがデフォルトになっていますが、そこで件名検索を使えば、タイトルや著者名だけでなく、内容に基づいた資料を探すことができます。やり方が分からなかったら、図書館員に聞けばいい。「足が速くなりたい」だけでなく、「運動会で1位をとれる」といった、より細かいニーズを満たす本も探し当てることができます。