進路も母親の情報に頼る傾向

【牛窪】「メンター・ママ」が顕著になった理由のひとつに、共働きが増えて母親の知見が増えた影響もあると思うのですが、一方で、バブル世代や団塊ジュニアの男性(父親)たちがバブル崩壊を機に自信を失ってしまったことも関係しているかもしれません。彼らにインタビューをしてみると、「日本はもう終わりだ」とか「この先は堅実に生きていくしかない」といった悲観的な言葉がとても多いのです。

世代・トレンド評論家 牛窪恵さん。父と母の力関係に変化が起きていることを指摘する
世代・トレンド評論家 牛窪恵さん。父と母の力関係に変化が起きていることを指摘する(写真=インフィニティ)

一方、女性はどうかというと、男性よりも現実的で、情報収集能力も高い印象が強い。実際、ベネッセ教育総合研究所らが高校3年生を対象に行った2024年の調査でも、「進路決定に影響した人」のトップは、「母親」が約8割(79.3%)と断トツで多く、「高校の先生」や「友達や先輩」をはるかに上回っています。「父親」の回答はさらに少なく、およそ5割(51.2%)のみ。ちなみにこの調査では、偏差値が高い(55以上)の高校生のほうが、母親の影響力をより強く受けている様子も見てとれます(「高校生活と進路に関する調査」)。