「このままの生活は続けられない」
夫がもともと家事が得意ということもあって、子どもが生まれる前は、家事の分担でけんかをすることはほとんどありませんでした。しかし、長男が生まれた時には2人の間で大きな議論がありました。
長男は大変な難産で、私の心身にも相当のダメージがあり、回復には時間がかかりました。また、長男は本当に寝ない子で、0歳のころの子育ては本当に大変でした。その上、夫は当時、演奏旅行などが多く、1週間、2週間単位で家を空けることが頻繁にありました。
トータルすると、長男が生まれて最初の1年の半分くらいは家にいなかったのです。
体調がすぐれない中、ワンオペで家事や慣れない育児をする生活が続き、私はすっかり参ってしまいました。そしてついに、「あなたのキャリアは大切にしてほしいけれど、このままの生活は続けられない」と夫に伝えたのです。
真剣な言葉が夫に届いた
「仕事のために、家にいられない時間が生まれるのであれば、それはあなたのキャリアにとってとても意味のあるものでなくてはならないと思う。家を空ける仕事が入りそうになった時には、私にこれほど大変な思いをさせるだけの価値があるものかを考えてほしい」と話したのです。
「知り合いにちょっと頼まれたから」「ほかにやる人がいないから」といったくらいの仕事なのか、自分のキャリアに重要なものなのかどうかを、考えたうえで仕事を選んでほしいと伝えました。
私の真剣な言葉は、夫の心にも届いたようです。その後夫は、自分のために意味のある仕事、金銭的にも価値がある仕事だけを選んで受けるようになりました。私も、子どもを産んだことでキャリアに変化がありましたが、夫の方も同様に、キャリアの変化を受け入れることになったのです。

