1日3時間以上のSNS利用がいかに危険か

大切なのは付き合い方。過度に依存しなければ、SNSは子供の心の成長にプラスに働くのです。一方で、SNS依存が進んだ子どもは心の健康を損ないやすくなることが、研究結果にも出ています。

イタリアで行われた258人の10代を対象にした調査では、回答者の約11%が専門的に見て「SNS依存の状態」に該当し、自己肯定感の低下や不安傾向の高さといった問題が顕在化していました。日本でも厚生労働省の研究班が2018年に行った全国調査で、中学生の12.4%、高校生の16.0%(推計93万人)にインターネット依存の疑いがあると発表され、米国の12歳から15歳の6595人を対象にした研究でも、1日3時間以上のSNS利用が抑うつや不安感などのリスクを高めることが示唆されました。

布団の中でスマホを使う子供
写真=iStock.com/fzant
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子ども自身も「やめたいのにやめられない」と感じている場合は、SNS依存に近づいている可能性が高いと言えるでしょう。

子供を守るため「親にできること」

子供のSNS利用については、世界的にさまざまな取り組みや法規制が進められています。

例えば、2024年にオーストラリアが16歳未満の子どものSNS利用を全面的に禁止する法律を世界で初めて承認し、EUにおいてもGDPR(一般データ保護規則)によって16歳未満の個人情報利用には保護者の同意が必要と定められ、各国で年齢確認の強化が図られています。

しかしながら、法律による規制だけではすべての子どもを守ることは難しく、最終的には家庭内での教育やルール作りが不可欠です。

以下の4つを参考にしてみてください。

① ルールづくりとテクノロジーの活用

アメリカ心理学会(APA)は「SNSが十代の睡眠不足や身体活動の欠如を招かないよう、使用時間を制限すべきだ」と勧告しています。スマホのスクリーンタイム機能やペアレンタルコントロール機能、YouTubeの視聴制限モードなどを併用すると、子どもの利用状況を把握しつつ、年齢不相応なコンテンツに触れないようコントロールしやすくなります。

夜遅くの使用を制限したり、食事中や就寝前の利用を避けたりすることにつながるルールを家庭内で明確に定めると、健康面への悪影響を減らせるでしょう。

② オープンなコミュニケーションとリテラシー教育

「なぜSNSの使い方に気をつける必要があるのか」「万一トラブルに巻き込まれたらどうするのか」といったテーマを、日常的に子どもと話し合う姿勢が大切です。

ユニセフも「お子さんと日頃からインターネットの安全についてオープンに話し合い、オンラインでの経験を共有させてください」と呼びかけています。ネット情報に対する批判的思考力(メディア・リテラシー)を育てるため、ネット情報を鵜呑みにしない習慣や誹謗中傷を受けたときの対処法など、具体的な知識を繰り返し伝えていくことも重要です。

そうした日頃の対話によって、子どもが嫌なことや不安なことを相談しやすい関係が築かれ、トラブルの早期発見にもつながります。

③ 子どものプライバシーと自立心の尊重

小学生の段階では、保護者がSNSアカウントのログイン情報を管理したり、投稿をチェックしたりすることも時には必要かもしれません。

ただし、中高生になるとプライバシーを尊重しつつ、様子を見守るスタンスに移行するほうが、子どもの自立心を育むうえで望ましいと言えます。強制的な監視や禁止だけでは反発心を招き、親子の関係性が壊れるなど、かえってリスクが高まることもあるからです。

いずれの場合も、危険な兆候を早期にキャッチできるように、普段から子どもとオープンに情報を共有し合っておくことが大切です。