加害者の8割は「顔見知り」

性暴力とは何か。さまざまな解釈がありますが、最近になってようやく防止対策に乗り出した政府は「同意のない性的な行為」としています。個人の尊厳を著しく踏みにじる重大な人権侵害であり、犯罪にもなり得る、とも。年齢や性別にかかわらず、被害を受けると指摘しています。

子どもへの性暴力の事例として、着替えやトイレ、入浴をのぞかれた▽抱きつかれた、キスされた▽服を脱がされた▽水着で隠れる部分(プライベートゾーン)を触られた▽痴漢にあった▽下着姿や裸の写真・動画を取られた。それを送るよう要求された、を挙げています。

加害者の8割は顔見知りとされます。この中には学校の教員や保育士も含まれます。

子どもへの性暴力は加害者がだれであろうと許せませんが、とりわけ子どもと接することを仕事にしている人はその立場を悪用しているという点において卑劣さが際立ちます。

「そのために教員になった」加害者も

連日のように発覚する教員らの加害実態に怒りがつのります。記者時代に女児への性加害で摘発された男性教員に取材したことがあります。「そういう行為をしたいがために教員になった」と聞いた際には、我を忘れて危うくとんでもない行為に及びそうになりました。

その時は何をされたかわからない子どもが数十年たってPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する事例が少なくありません。

思い起こせば当方が小学生時代、休み時間になるとクラスの女児を膝の上に乗せたり、体を触ったりする男性教員がいました。ある日、嫌がっている女児に打ち明けられ、その教員に抗議しました。にやにや笑っているだけで卑劣な行為はやみませんでした。

今なら校長や教育委員会、警察に訴え出て問題教員を駆逐できたのに。同級生を救えなかった当時の無力非力を激しく悔やみ、恥じます。

半数以上が勤務先の子どもをターゲットに

教員による子どもへの性暴力実態については文部科学省の調査が参考になります。

2023年度に児童や生徒などへの性暴力で懲戒処分を受けた公立学校の教員は320人(男性316人、女性4人)でした。前年度より79人増え、統計を開始した2011年度以降で最多です。

年齢別では20歳代105人、30歳代86人、40歳代51人、50歳代以上78人です。

教員の所属別では小学校85人、中学校111人、高校100人、特別支援学校22人などです。

半数以上が自分の勤務先の子どもを対象にしていました。

【図表2】性犯罪・性暴力等で懲戒処分となった公立学校の教職員の行為の相手の属性
出典=文部科学省「令和5年度公立学校教職員の人事行政状況調査」よりプレジデントオンライン編集部が作成