暴力も自傷行為も不安やいらだちの表れ

暴力や自傷行為をやめるように伝えても、受け入れない子どもがいます。

それは、周囲の人の対応が、子どもを刺激するものだからかもしれません。子どもの気持ちを受け止めることをせず、ただ叱ったり批判したりすると、逆に暴力や自傷行為が激しくなってしまうものです。

監修・齊藤万比古『不登校のはじまりからおわりまで』(辰巳出版)
監修・齊藤万比古『不登校のはじまりからおわりまで』(辰巳出版)

親は、頭ごなしに子どもの行為をやめさせようとせずに、まずは子どもの言葉に耳を傾けましょう。中には、言葉では伝えられない子どももいます。そのときは、子どもの暴力的な言動の背景を思いやり、傷ついた子どもの心に寄り添いましょう。

そのうえで、とにかく根気強く、「暴力はやめて言葉で気持ちをいってほしい」「自分のことを傷つけないでほしい」と伝え、暴力行為には応じない姿勢を示します。それでもやまない場合は、精神科医や心理カウンセラーといった専門家に相談して、対処の方法を検討してみるといいでしょう。

暴力や自傷行為といった激しい行動をとるのは、不安やいらだち、焦燥感のあらわれです。不安や恐怖を感じることがあったり、悩みごとや不満をうっせきさせていたりすると、その苦しみのアピールとして暴力や自傷行為をしてしまうことがあるのです。

いちばん大事なのは、日頃から子どもと日常的な会話を十分にして、気持ちが通じ合えるようにコミュニケーションをとれる状態にしておくことですが、それはとても難しいことでもあります。

深刻な暴力、生命に危険をおよぼすような自傷行為は、急を要する事態と考えて、早急に精神科受診などを検討しましょう。