※本稿は、黒川祥子『母と娘。それでも生きることにした』(集英社インターナショナル)の一部を再編集したものです。
身体を触り、お風呂をのぞくようになる
継母が家を出たことによって、父親と2人だけの生活が始まりました。高校2年の夏休みだったと思います。
「おまえは、ごはんを作ろうと思わないのかー!」
父親が怒り出すので、渡された千円で料理本を買い、肉じゃがを作りました。
「おまえ、これは、食堂の切り方と同じだろがー!」
突然、食卓で父親が激昂し、目を剥いて怒鳴られましたが、言われたことの意味が全くわかりません。「え? 何のこと?」と、キョトンとする暇もあったのかなかったのか。
「おまえは、何でも口答えしてー!」
父親は漬物が乗っていた皿をバーンと叩き割り、私はいきなり首根っこを掴まれました。テーブルを挟んでいるのに、体が持ち上がるほどの力でした。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
首が絞まる苦しさを堪え、私は何度も謝りました。そうするしか、ないのだから。どうやら茄子の漬物の切り方が気に食わなかったみたいで、私は半分に切って半月切りにしたのですが、正解は丸のまま切るのが正しかったようです。どこに地雷が潜んでいるか、ビクビクする生活に変わりはありませんでした。
いきなり激昂する一方、ある時は突然、猫なで声で私に寄ってくるのです。
「ちゃーおちゃん」
気持ちが悪くて仕方がなく、そのうちに通りすがりに私の乳首とか身体を触ってくるようになりました。それも、つーんと手を出してきて、「え?」って思った時には触られているので、手で払う暇もないのです。やがて、お風呂を覗いてくるようになりました。