何度も聞くと語彙力が身につく理由

記憶に関する法則で「エビングハウスの忘却曲線」というのがあります。

記憶は1回覚えただけでは、すぐに忘れてしまいます。エビングハウス教授の行なった実験によると、一度覚えても1時間後には平均して56%忘れてしまいます。さらに1日経つと74%も忘れたというのです。つまり、覚えたら忘れる前に復習するということを繰り返すことで、記憶として定着するということです。

この実験は博士1人が行なったことと、前後の脈絡のない文字の配列を覚えるという設定だったので、記憶に定着しにくかったということが指摘されています。でも、繰り返し聞いて覚えることは、記憶を定着させるにあたり大切なことだと思います。

また、京都府立大学で、幼児期の本の読み聞かせの効果として「同じ本を繰り返し読む」か「毎回違う本を読む」かで、認知能力の発達にどんな違いが出るかについての博士論文がありました※2

研究では「同じ本を繰り返し読む」ことが語彙力を増やすことにつながる可能性があるという結果が得られたのだそうです。

もちろん、ある程度の年になったら、幅広いジャンルの本をたくさん読むことも意味のあることです。でも幼児の頃は1冊でも2冊でも、本人が気に入った本を何回も読んだほうが、記憶に残り感性を刺激するような気がします。

もちろん、「お話の先を知りたいから、次を読んで」と子どもにせがまれたら、先を読んでください。その子にとっては、ストーリーの行方を知ることが、ワクワクすることなのですから。

※2:雨越康子「幼児期における絵本の読み聞かせと認知能力との関連─ワーキングメモリと語彙力に関する検討─」京都府立大学(2021年6月)科学的子育てのヒント 可能性を見つけるための体験

落合家はどんな本を読ませていた?

我が家では、読んであげる本は、近所の本屋さんで見つけました。

落合陽一、落合ひろみ『「好き」を一生の「強み」に変える育て方』(サンマーク出版)
落合陽一、落合ひろみ『「好き」を一生の「強み」に変える育て方』(サンマーク出版)

陽一が小さい頃は童話が好きでした。数は多くはありませんが、日本人であればほとんどの方が知っているような童話は大体読み聞かせをしました。

ここでは幼時から小学生時代の読書に関するエピソードをいくつかご紹介します。

・子どもの想像力を豊かにした『ガリバー旅行記

世界のいろいろな国の話や、外国人のエピソードなどを織り込みながら『ガリバー旅行記』の読み聞かせをしたせいか、陽一の頭が混乱したのかもしれません。

「ガリバーがやってきたのは、日本だったんじゃないかな」と突然言い出しました。

背が高い大きな体のオランダ人が昔に来ていたのだから、この物語は日本にやってきた体の大きな外国人の話だと得意そうに言います。子どもの想像力の豊かさが面白く、私は笑って聞いていました。

・映画をきっかけに読んだ『フォレスト・ガンプ

小学2年生のときだったと思いますが、陽一から『フォレスト・ガンプ』という映画を観に連れていってほしいとせがまれました。私はどんな映画か知らなかったのですが、テレビで紹介されていたのを見たのかもしれません。映画を一緒に観て、その帰りに原作本を買って毎晩読み聞かせました。自分と同じくらいの年齢の少年時代から始まる作品だったので、気に入ったのでしょう。

・将来につながった⁉『五体不満足

小学校4年生か5年生の頃、乙武洋匡ひろたださんの『五体不満足』(講談社)という本がベストセラーになり、買ってほしいと言われたので買いました。読み終わると、「これ読んだら」と私に本を貸してくれました。