立場を超えた総力戦でのチャレンジが必要

私はずっと教育畑にいた人間というわけではありません。長く教員を務めている方々からすれば経験は浅いかもしれません。ですが、ビジネス現場では数々の敗北を目撃してきたと同時に、全国のさまざまな教育現場を回る機会に恵まれ、学校間・世代間の違いや共通点を見てこられた経験から、共有できることがあると思っています。

この本では、私たちが教育現場を走り回った実践をもとに、子どもたちが話せるようになるために必要なことを考えます。

「よくそんなお金にならないことを!」

教育団体を起ち上げるとそんなふうに言われることもあります。私が抱いている思いは純粋に、「次世代を担う子どもたちの将来が心配だから」です。

だから、私はこの本を通じてお願いしたいのです。

竹内明日香『すべての子どもに「話す力」を』(英治出版)
竹内明日香『すべての子どもに「話す力」を』(英治出版)

まずはご自身やお子さんの話す力を高めるために読んでいただくのでも、もちろん構いません。

でも加えてぜひ、この本を手に取られたみなさんに、次世代全体を育成することにほんの少しだけでも興味を持っていただければと思っています。

この本は教育現場に近い話が書かれた箇所が多いとは思います。ですが、日々子どもと接する親や地域の大人、教育に関心があるビジネスパーソンが実践できる内容も多々あります。

本書をお読みいただければわかるかと思います。子どもたちの可能性を閉ざしてしまう懸念も、可能性をひらいていけるチャンスも、教育現場だけに存在するのではありません。次世代を担う子どもたちのために、立場を超えた総力戦でのチャレンジが必要なのです。