非上場企業オーナーが円滑に経営と財産の承継を進める方法として近年、注目されているのが「資産管理会社」の設立である。ただ、どのように運営し、どのようなメリット・デメリットがあるのか、中小企業に向いているのかといった情報が知られているとは言いがたい。企業オーナーの悩みを解決する「資産管理会社」とは、どんなものだろうか。

資産の多くが非上場株式…そんなとき相続税の納税にどう備えればいいか

「企業オーナーの資産は経営する企業の株式に偏りがちです。しかし相続が発生した場合、当然に非上場株式にも相続税が課されますので、相続税の納税に備えるのも簡単ではありません」

そう説明してくれるのは、株式会社青山財産ネットワークスでコンサルタントを務める河合寛人氏。

青山財産ネットワークス 河合寛人氏
青山財産ネットワークス
河合寛人氏

相続に当たり納税資金をどう用意するのか、事業が複数ある場合すべてを次世代へ承継すべきかどうか、経営の安定化を図るために株主構成をどうするのが一族にとって、また事業会社にとってベストなのか。純資産が厚く業績が好調な企業のオーナーほど納税額も大きく、経営と財産の承継に悩むことが多いという。

「こうした場合、銀行など金融機関に相談すれば、金融機関から融資を受けて納税を行い、株式を承継するよう勧められるでしょうし、不動産会社に相談すれば、相続税額を抑えるために借り入れを行って賃貸用不動産を購入することを勧められるかもしれません。また税理士さんからは、特例事業承継税制の活用を勧められるかもしれません。そのどれにもメリットとデメリットがあり、ある選択肢がどんな場合にも必ず正解ということはありません」と河合氏は続ける。

「資産管理会社」設立という選択肢

そのうえで紹介するのが「経営と財産の承継をスムーズに進めるうえで、それとは別に資産管理会社を設立するという方法」である。大手のオーナー系企業では資産管理会社が大株主になっているケースが多いが、中小企業でも資産管理会社を設立するメリットは大きいのだという。

一般の相続対策と比べ、資産管理会社設立にはどのような利点があるのだろうか。

「第一に相続税納税のための財産を形成しやすいことが挙げられます。オーナー様個人が事業会社からの配当や役員報酬を貯金して納税費用を貯めようとすると、総合課税となって高率の所得税をかけられてしまいますし、貯めた納税資金にも相続税がかかってきます。一方、事業会社を傘下に置く持株会社の形で資産管理会社を設立し、この資産管理会社が100%子会社である事業会社から配当を受ける形にすれば、『受取配当等の益金不算入制度』によって、非課税で相続税納税のための財産形成をすることができるのです」(河合氏)

設立しただけでは意味がない…「資産管理会社」の本当の活用法

実際にはオーナー経営者が顧問税理士などに勧められて資産管理会社を置いているケースは少なくない。問題はその先だ。

「資産管理会社をつくってみたものの、設立しただけで終わっているケースが多いのです。資産管理会社に置いた財産をどう管理運用していくかまで考えなければ、設立した意味はありません」

そう指摘するのは、同社のコンサルティング事業部で部長を務める松川洋平氏だ。

「弊社は『この先、資産をどういう形で活用していくのが最善か』という、未来についてのご相談を受けるのが仕事です」

青山財産ネットワークス 松川洋平氏
青山財産ネットワークス
松川洋平氏

税金対策を「タックス・プランニング」とすれば、同社が目指すのは「アセット・プランニング(資産の管理運用)」。資産運用のプロフェッショナルが在籍し、社内に不動産事業部もあって、資産管理会社の設立サポートだけでなく、設立した会社の活用サポートや資産管理会社の株価の把握等を毎年行い、立案したプランに問題がないか見直して、各時点で最適と思われる資産運用を提案していく。

「『すでに資産管理会社を設立している』という企業オーナー様に、セカンド・オピニオンを提示する形でご相談に乗ることもできます。経営や財産に関する様々なお悩みについて、オーナー様の壁打ち役となり、財産の承継、運用、管理のパートナーとして評価していただくことが、私たちの志すところです」と松川氏は語る。

今、青山財産ネットワークスのホワイトペーパー『企業オーナー向け 賢く課題解決するための資産管理会社 ─メリットと事例─』が期間限定でダウンロード可能となっている。事業承継に頭を悩ましている企業オーナーのみなさんには、ぜひご一読をお勧めしたい。

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