「お金を減らさずに増やす」鍵は「長期・積立・分散」投資

値動きと上手に付き合って堅実にお金を増やす「投資の3原則」と呼ばれるのが、長期・積立・分散投資です。

世界経済は人口増大とともに今後も成長するでしょう。経済が拡大すれば、株式市場も成長していきます。「長期投資」をしていれば、その成長に合わせて、お金を増やすことができるというわけです。

また、長期投資は「複利効果」を味方につけることができます。複利効果とは、運用で得た利益を再び元本に組み入れて投資することで、運用金額が増え、リターンも増えていく効果のことです。複利効果を大きくしたいなら、時間を味方につける必要があります。

人間には寿命がありますので、複利効果をできるだけ長く活用したいなら早く始めるしかありません。

また、「積立投資」ならば、投資タイミングを気にせず、淡々と投資ができるので気が楽です。しかも、積立投資をすると商品の価格が安い時にはたくさん、高い時には少ししか買わないため、平均購入単価を下げる「ドルコスト平均法」の効果も得られます。

ドルコスト平均法によって平均購入単価が下がると、その後の少しの値上がりでも利益を出しやすくなります。

日本の年金は国内外の債券、株式に25%ずつ分散投資

なお、価格が直線的に右肩上がりで上昇を続けるならば、はじめに一括購入するほうが有利です。しかし長期的には緩やかに右肩上がりで上昇するとしても、短期的には上げ下げしながら推移していきます。いつから下がるのか、いつから上がるのかはプロでも予測不可能です。それであれば、積立投資をしていたほうが堅実です。

「分散投資」とは、値動きの異なる複数の資産・地域に資産を分けて投資することです。投資先を分けておくと、そのうちのどれかが値下がりしても損失は大きくなりません。それどころか、他のどれかの値上がりで損失をカバーできる可能性もあります。

株と債券のように、異なる値動きをする資産を組み合わせて保有すれば、資産全体の価格変動リスクを抑えて運用できます。

株と債券を組み合わせた分散投資を実践しているのが、日本の年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。GPIFは今や、世界一の機関投資家です。国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つの資産に25%ずつ投資することで、お金を減らさずに増やす運用をしています。

投資信託を活用すれば、この分散投資が手軽にできます。

投資信託の投資先は、投資信託ごとに異なります。そして、どの投資先に投資するかでリスクとリターンが異なります。複数の投資先を組み合わせた「バランスファンド」と呼ばれる投資信託もあります。

バランスファンドの中には、前述のGPIFと同じ4つの資産に25%ずつ投資する「4資産均等型」と呼ばれるものがあります。これを利用すれば、投資信託1本で手軽にGPIFと同様の投資ができます。