70歳を過ぎてからの収入減に備えて今からできる対策は何か。セカンドキャリア塾を主宰する大桃綾子さんは「年金を土台にお金の設計をするには3つのコツがある」という――。
年金手帳とチェックマーク
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70歳以降に収入をアップさせる3つの方法

いくら頑張って働いても、70歳を過ぎると、どうしても収入が減ってしまいます。2019年のリクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査」によると、60代前半の平均収入は357万円、60代後半は256万円、70代前半は251万円。上位10%は稼いでいますが、一般的に年齢を重ねれば、着実に下がっていきます。

70歳以降の収入が減ったときに、どうお金と向き合うか。50代のうちから、ぜひ考えておきましょう。70歳以降に収入アップするには、次の3つの方法があります。

① 70歳以降も働く
② 投資をする
③ 家計を見直す

① 70歳以降も働く

年金をもらい始めるのは原則65歳ですが、75歳まで繰り下げることができます。1カ月繰り下げるごとに0.7%がプラスになり、1年で8.4%に。75歳まで繰り下げると、184%に増額されますから、これはぜひ頑張って働いて、年金を増やしてほしいですね。

② 投資をする

企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(イデコ=個人型確定拠出年金)、新NISAなどを利用して、お金を積み立てる感覚で投資するのも収入を増やす方法の一つです。「50歳からでは、もう遅いのでは」と心配する方もいますが、70歳まであと20年もあります。今から始めても決して遅くはありません。投資に苦手意識のある人は、「あぶく銭を稼ぐようで、良くないことでは……」とネガティブなイメージを持っていますが、実際に我が塾生の方から、「確定拠出年金に預けてそのまま放置していたら、ちゃんと運用していた会社の同期が1.5倍に増やしていて驚いた」という話も聞きます。やはり早く始めるのに越したことはないでしょう。

とはいえ、投資は「なくなるリスクがある」ことを認識することは重要です。

特に新NISAは、投資が苦手な人はやらないほうがいいですし、いきなり限界枠まで入れるような「1000万円以上をつぎこむ」などの行為は絶対にやめたほうがよいでしょう。

何があるかわからない老後は、現金で持っておくことも大切です。トライするなら、少しずつ積み立てていく、あるいは損してもいいと思えるお金を使うこと。プラスが出ても非課税ですので、有利に投資できる制度です。