北海道に次いで2番目に道路が長い茨城は走りやすい

であるならば、距離の近さのわりに交通環境が全く違う茨城と東京では、感じられるギャップもより大きくなると考えられますね。東京の人から「スピードを出す車が多くて怖い」と言われることがある茨城県民は多いと思います。まあたしかに東京と比べてスピードが出ているのは間違いないでしょう。でもそれは県民性が違うから起きるのではなく、交通環境の違いが原因ですよね。その違いを意識せずに、東京から茨城へやってきて、東京の感覚のまま運転した挙句、やっぱり茨城は危ないジャーン! と言われてしまうパターンがなんと多いことか。

佐藤ダイン(作画)/青木智也(監修)『だっぺ帝国の逆襲』(小学館)
佐藤ダイン(作画)/青木智也(監修)『だっぺ帝国の逆襲』(小学館)

想像してみてください。交通量も信号も路上駐車も週末ドライバーも多く、歩行者や自転車にも気を配る必要がある東京の道路。ちょっとしたミスや危険な運転は即事故につながるので、安全に配慮した慎重な運転が求められます。実際に東京は事故発生件数が毎年全国トップクラスで、事故発生率は茨城の約3倍です。もちろんスピードは出したくたって出せない、とてもストレスフルな交通環境ですね。本当にお疲れ様です。

一方、北海道に次いで日本で2番目に道路が長い茨城。平地が多く、見晴らしもよく、空いているのが当たり前。一つの目的地に行くには様々なルートがあって、一つの道路が渋滞していれば、他のルートを選択することもでき、その選択次第でより早く目的地に着けるストレスフリーな交通環境。これって、茨城ではごくごく当たり前ですが、日本の大部分は山地なので、必ず主要道路を通らないと目的地に行けない地域が多いんですね。そう考えると、茨城は交通環境にとても恵まれたドライバー天国といってもいいのではないでしょうか。

ドライバー天国だからこそ運転には自制心を!

だからこそ、都心部よりも自制心やマナーが求められるともいえますね。飛ばせるから飛ばしてしまいがち。自分の力でより速く行けるからついせっかちになりがち。残念ですが、それが運転マナーのイメージ悪化や実際の交通事故につながってしまっているケースも多いでしょう。そこは茨城県民も素直に反省しましょう。

ただ、他県のみなさん、いたずらにイメージで判断しないでくださいね。茨城はそんなにデンジャラスなところではありませんから。ぜひ運転しやすい茨城にドライブしに来てくださいね。

あっ、最後に一つ注意事項です。常磐道を首都高みたいに同じスピードで並走したら危ないですよ。右っかわは追い越し専用車線だっぺ~!

茨城県中川
写真=iStock.com/dreamnikon
茨城県中川
青木 智也(あおき・ともや)
ライター

1973年、茨城生まれ、茨城在住。2000年にWEBサイト「茨城王」を開設。2004年に出版した著書『いばらぎじゃなくていばらき』(茨城新聞社)は茨城県でベストセラーに。執筆や講演、ラジオパーソナリティなど、幅広く活動している。2014年からはイバラッパーを名乗り、茨城弁を交えたご当地ラップを発表。コミック『だっぺ帝国の逆襲』(小学館)では監修とコラムを担当