さまざまな「共存」の在り方を教えてくれる
――今回も募集テーマ「共存」での参加。世界的に課題が山積する中、「共存」の重要性も高まっているように感じられます。
【太田】人々が心豊かに生きるための「とき」と向き合ってきたJTグループは「心の豊かさを、もっと。」をパーパスとして打ち出しています。自然、社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会が持続可能であってはじめて、私たちの事業活動も成り立つと考えています。この関係性を守り続けるためには、自分自身や互いの価値観を認め合う心の豊かさが欠かせません。「共存」には、そんな世界の実現に向けてメッセージを発し、行動していきたいという当社の思いを込めています。
もちろん、共存の在り方は一つではありません。これまでの環境フォト・コンテストにおいても、当社の募集テーマに寄せられた作品ではさまざまな共存の形が描かれ、改めて考えさせられたり、新しい発見を与えてくれたりしました。グランプリを決定する最終審査会でお会いした優秀賞受賞者には、地球環境のこと、写真に注ぐ情熱のこと、そして当社の募集テーマである「共存」に対する思いなどを伺うことができ、共に貴重な時間を過ごすことができたと感じています。
例えば、前回コンテストのJT賞優秀賞作品「コンニチワ‼」を撮影した瞬間などは、きっと心の中に豊かさが満ちあふれていたのではないかと思います。当社が社会から求められているのも、このような「豊かなとき」の提供でしょう。今回の「2024」コンテストでも、素敵な作品との出合いを楽しみにしています。
「企業活動と環境の調和」の道を歩んでいく
――サステナビリティの取り組みの軸は。
【太田】JTグループは不変の企業理念として「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」という「4Sモデル」を追求しています。一人一人の社員が地球環境、サステナビリティについてしっかりと理解し、自分には何ができるのかを考える土台が築かれています。
2022年に更新した「JTグループ環境計画2030」で掲げているのは次のような目標です。温室効果ガスについては「2030年までにJTグループの事業においてカーボンニュートラルを実現し、2050年までにバリューチェーン全体でGHG排出量をネットゼロにする」を目指す姿として、「Scope1および2のGHG排出量について、1.5℃削減経路に沿って、2030年までに2019年比47%削減する」「Scope3の購入する原材料・サービスに由来するGHG排出量を2030年までに2019年比28%削減する」を目標としています。2030年の事業活動由来のGHG排出量削減目標は、国際的なイニシアチブであるSBTi(Science Based Targets initiative)に基づいており、2022年に「1.5℃目標」の認定を取得済みです。
エネルギーに関しては目指す姿を「2050年までにJTグループにおいて使用するエネルギーを全て、GHGを排出しないエネルギーへ移行する」として、「JTグループにおいて使用する電力の内、再生可能エネルギー由来の電力使用量を2030年までに50%、2050年までに100%にする」と掲げています。東南アジア最大規模の太陽光パネルを導入したバタンガス工場(フィリピン)、太陽熱により発生させた蒸気を熱エネルギーとして利用する世界初のたばこ工場(ヨルダン)などが稼働しており、再生可能エネルギー活用の拠点を増やしていくために、引き続き候補地の調査を進めていきます。
――客観的な評価も積極的に取り入れています。
【太田】グローバルな取り組みや透明性のある情報開示の成果は、9年連続で国際的なESG株価指数「Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index」の構成銘柄に選定されたことや、国際的な環境情報開示のプラットフォームであるCDPにおいて、気候変動への取り組みが4年連続で最高評価「Aリスト」に選定されたことなど、各種の客観的な評価にも表れています。今後も気候変動対策、持続可能性により貢献できる体制、仕組みを整えていきます。
「自然との共生」「お客様の期待を超える価値創造」「人財への投資と成長機会の提供」「責任あるサプライチェーンマネジメント」「良質なガバナンス」――策定したマテリアリティ(重要課題)の解決を図る中で、社会の持続的な存続・発展、当社グループの長期的な事業成長を両立させたいと考えています。ステークホルダーや地域の皆さまと力を合わせながら、私たちだからこそ歩める「企業活動と環境の調和」の道を進みたいと思っています。
●募集テーマ:共存
●前回の入賞作品