子どもを持つことの幸せを実感できる政策の実施が必要
日本ではこれまでさまざまな少子化対策が実施されており、育児・就業環境は以前より改善してきています。しかし、子どもを持つ女性の幸福度が低下するという傾向は、変わっていません。
少子化対策がまだ不十分であるといえるでしょう。日本やヨーロッパでは子どもを持つことの幸福度低下の大きな原因として、金銭的負担の大きさが挙げられている点を考えれば、子育ての金銭的支援拡充をより真剣に検討すべきでしょう。
子どもを持つことの幸せがより実感できる政策の実現を願ってやみません。
(*1)佐藤一磨(2023)「子どもの有無による幸福度の差は2000~2018年に拡大したのか」PDRC Discussion Paper Series , DP2022-006.
(*2)Blanchflower, D. G., & Clark, A. E. (2021). Children, unhappiness and family finances. Journal of Population Economics, 34, 625–653.
(*3)佐藤一磨(2021) 子どもと幸福度-子どもを持つことによって、幸福度は高まるのか-, PDRC Discussion Paper Series, DP2021-002.
(*4) Herbst, C. M., & Ifcher, J. (2016). The increasing happiness of U.S. parents. Review of Economics of the Household, 14(3), 529–551.
1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259–1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247–286 (2020)がある。