<特別対談>Vol.2 みらいワークス×イーデザイン損保

東京海上グループのイーデザイン損保は昨年11月、IoTセンサーとスマートフォンを連携した安全運転支援サービスなどを提供する新しいタイプの自動車保険「&e(アンディー)」の販売を開始した。その開発を人材面でサポートしたのが、プロフェッショナル人材に特化したサービスを展開するみらいワークスだ。新規事業開発の留意点やそこで鍵となる人材の在り方などについて、イーデザイン損保でマーケティングの責任者を務める友澤大輔氏とみらいワークスで執行役員、新規事業開発・推進部部長を務める久野芳裕氏が語り合った。

前例にとらわれずプロの目線で見てほしい

【久野】損保業界の現状や「&e」開発の経緯からお聞かせください。

【友澤】今、損保業界においてもDXは重要なテーマです。そこで、リアルタイムの運転挙動データなどを用い、従来にない付加価値を持った商品を生み出したいと考えました。

【久野】その成果として、データを事故対応の品質向上や事故予防に生かす「&e」が誕生したわけですね。ビジネスを取り巻く環境が激しく変化する中、当社にも新規事業分野のプロ人材に関する問い合わせが増えています。イーデザイン損保さんへ紹介させていただいたのは、プロジェクトマネジメントやマーケティングをサポートする人材でした。

【友澤】はい。例えばプロジェクトを横断的に支援するPMO(※)のリーダーなどを社内の人間が務めると、どうしても前例を踏襲したり、周囲に気を遣ったりしてしまうことがあります。今回の新規プロジェクトについては、先入観のない社外のプロに物事を俯瞰的に見てもらいたい。そんな狙いがありました。

【久野】確かに、客観的な視点で自分たちが見過ごしていること、無意識でやっていることを指摘してほしいという声は多いですね。

【友澤】また、アジャイル開発には専門知識が必要ですから、経験と知識のある即戦力の人材にリードしてもらうのが効率的です。加えて、コンサルタントなどに頼りきりで物事がよく分からないまま進んでしまう状況は避けたい。そこで社内で“伴走”しながらサポートしてくれる人の力を借りたいと考えました。

【久野】そうして経験のある人材と社内の方を組ませ、社員育成とプロジェクト推進を同時に進めるケースは多いですね。

【友澤】実際、短期で深くコミットしてもらい、必要な部分をリーズナブルな形で補うことができ、非常に助かりました。

※Project Management Officeの略。

左:久野芳裕(ひさの・よしひろ)
株式会社みらいワークス 執行役員 新規事業開発・推進部 部長
業務委託でみらいワークスに参画。ビジョンに共感し、2018年に正社員として入社し、現在は自社・他社の新規事業を推進。副業で複数企業の業務に従事する等、自らも新しい働き方を実践。

右:友澤大輔(ともざわ・だいすけ)
イーデザイン損害保険株式会社 CX推進部 チーフマーケティングオフィサー
大学卒業後、ベネッセコーポレーションに入社。リクルート、楽天、ヤフー、パーソルホールディングスなどを経て、2019年4月より現職。東京海上ホールディングスデジタル戦略部のシニアデジタルエキスパートも兼務する。

コミュニケーション力の高さも印象的

【久野】当社が紹介したプロ人材が提供したスキルや価値はどのようなものでしたか。

【友澤】「&e」で使うIoTセンサーが海外製だったこともあり、例えば英語での会議のファシリテーションなどをお願いしました。また、マーケティング面では広告代理店が提案するPRプランについて過不足がないか、費用が妥当かなども見てもらい、心強かったですね。いずれも社内にはあまりノウハウがない部分でプロのスキルを実感しました。

【久野】当社にはさまざまな業界や職種で新規事業に関わった人が登録しています。業界別、業務別など細かくデータベース上で確認できるようにもなっているので、幅広い案件に迅速に対応できます。

【友澤】プロ人材のコミュニケーション力の高さも印象的です。「聞く力」「伝える力」をフルに発揮して社内をまとめてくれました。フリーランスというと一匹おおかみ的なイメージもあったので少し意外でした。

【久野】会社の意をくんでくれるのかと心配されることがありますが、皆、新規事業というものに思い入れがあり、成功させるにはコミュニケーションが大事であることを熟知している。みらいワークスへの登録時も、スキルだけでなく、人間性を重視しています。

【友澤】ある程度の役職を任せるなら、技術やノウハウだけでは不十分です。ただ、自社で面接をして人柄まで見極めるのはなかなか難しい。その点、みらいワークスさんは“専門性”と“人間性”の両方を担保してくれているので安心できます。

【久野】特に新規事業の分野には、「異能」ともいえる突き抜けた強みを持つ人が多いです。

【友澤】当社は離職率が低いこともあり、外からの風が入りにくい面があります。外部の人材の仕事ぶりやこだわりを見ると、「あそこまでやっているから物事がうまく進むのか」ということが分かる。それが社員にもいい影響を与えていると感じます。

【久野】おかげさまで、事業企画の面などでも、新たな視点が入っていいアイデアが出るようになったという声を頂きます。

【友澤】当社は昨年、新たに「Create a New Standard 保険業界の新しいかたちを、お客さまとともに。」というビジョンを掲げました。その実現に向け、引き続き社外の技術や人材も上手に活用しながら、従来の保険の枠組みを超えた魅力あふれる商品、サービスを提供していければと考えています。

【久野】みらいワークスが提供できるサービスは、登録するプロ人材の数だけ存在すると思っています。その数は約1万6000(フリーコンサルタント.jp)に及び、今も増え続けています。今後もさまざまな局面でお役に立てると考えていますので、よろしくお願いします。

Corporate Profile

株式会社みらいワークス
ニーズや経営課題に応じて、プロフェッショナル人材のアサイン・採用を支援。圧倒的なスピードでの事業成長を後押しする。

イーデザイン損害保険株式会社
東京海上グループの通販型損保会社。事故時に対応するだけでなく、お客さまと事故のない世界をつくることを目指している。

経営課題を解決に導く、プロフェッショナル人材活用の可能性