投資額、9億円……全額どころか、1億不足している!

どうすれば現金を確保できるか、どうすれば現金を回せるか毎日悩んでいたところに、太陽光発電の固定買い取り制度のニュースを見ました。遊休土地も売れなかったので、これだ! とピンときた。手元の現金を発電量×買い取り価格×期間で考えれば、絶対に今ここで太陽光発電に投資するしかないと確信できた。そこで、1億円をさらにひねり出しました。

結果はどうなったか? このコロナ禍の今も、何もせずに、月平均2500万円、毎年3億円の現金収入になっている。電力会社ってすごいんです。請求書もなしに、発電した分の電気代を振り込んでくる。

今では無借金経営に

すぐ決断できたのは、現金の収入をどうすれば増やせるかを毎日考えていたから。

各種の補助金、給付金、融資なども、現金の大切さを知っていてこそ、常にアンテナを張って、その価値が判断できるというものです。そして、ピンチをチャンスに変えるとしても、まずは軍資金がなければ何も始めることができません。

現在うちの会社は無借金で、かつ売り上げゼロでも3年以上固定費を支払える現金を確保している。やはり社長の腕ですか?(不遜ですみません)。

今(2021年度)なら、中小企業向けに最高額1億円が給付される「事業再構築補助金」という支援策が出ています。ぜひ、検討すべきです。

平 美都江(たいら・みとえ)
平鍛造 前社長

1956年東京生まれ。小学校高学年で父の会社が乗っ取られて、両親の故郷・石川県羽咋市に引っ越す。日本女子大に入学するも、後継者を婿養子にしようとした父に呼び戻されて1年で中退。結婚し1児をも設けるも、後継者候補の婿養子が出奔し、離婚に。父の会社・平鍛造に入社して営業職に。廃業を主張する父との訴訟を経て、社長に就任。取引先がゼロから再スタートして2018年、取引先の大手企業に100億円で売却。2021年6月、社長を退任。