大企業でも“紙の城壁”があるオフィスは珍しくない
私は謎解きゲームの企画会社を経営するのと同時に、仕事術の専門家として様々な企業に効率的な仕事の進め方について指導を行っています。
そのため、いろいろなオフィスにお邪魔する機会があるのですが、中には世間によく知られた大企業であっても、表向きのイメージとは異なり、デスクに紙資料が積み上がって、ちょっとした城壁を築いているような光景を目にすることもあります。
実際のところ、IT関連のような一部の業界を除いて、紙資料を中心に仕事がまわっている会社は意外とたくさんあります。
紙資料がなぜ問題なのか?
もちろん、一時的に忘れないよう書き記したり、何かを考えたりするために利用(その紙を「シンキングペーパー」と呼称)する分には問題ありません。
しかし、紙(アナログ)の情報だと、その他の仕事で活用したいと思った時に、流通性や保存性の面でどうしても物理的な制約が生じます。郵送とメール送信、キャビネ保管とサーバー保管、を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれません。
アナログとデジタルが存在すると混乱する
また、社内で共有する情報が、アナログとデジタルの2つの形式で存在していると、肝心な時に「あれ、どっちだっけ?」という混乱が生じやすくなります。であれば、デジタルの形式に割り切った方が、情報共有の面では、格段に整理・管理しやすくなります。
逆に言うと、物書きのような、個人完結するような仕事や、物理的に一定の場所で作業を行う仕事であればアナログ情報でもいいかもしれませんが、様々な人と関わりながら、たくさんの情報を組み合わせて進める仕事だと、前述のようなデメリットのせいで困るわけです。私が、企業組織においてペーパーレスを推奨する理由はここにあります。