どんな治療よりも大事なこと

(3)自分をいたわる

それだけいろいろな対処法を施しても、実際にHSPの人は、ふつうに生活していくだけで空気を読みすぎて、いい人であり続けたりするので、人一倍疲れます。ですから、やはり自分をいたわる、自分に愛情をかける、そういった時間をつくってほしいですね。反対にこれがないと、どんな方法をやってもダメというほど大切なことです。

自分をいたわるおすすめの方法は「自分に手紙を書く」ことです。たとえば「私はよくがんばって、まわりにも親切にしている……」と書いて、しんどいときに読み返す。そうすると気持ちが楽になります。こういった形で自分をケアすることは、HSPの人でなくても大事になってくるでしょうね。

HSPの人は危機管理能力が高い

そんなふうに何かと大変そうなHSPの人ですが、悪いことばかりはありません。相手の気持ちを気遣えたり、いろんなものに感動しやすかったり、感性が豊かで、非常に情緒的。魅力的な人ですよね。

また先回りして考えられることは、危機管理能力の高さにつながっています。イケイケドンドンな人は何かが起こってから「エライことになったな」と考えますが、HSPの人は、事前にそうならないように考えられるので、トラブルを未然に防げる可能性が高いのです。

HSPの人は、そういったよさがたくさんあることを自分でも理解し、そのよさを生かしてほしいと思います。

構成=池田純子

井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医

産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。