働く女性にライフキャリア支援サービスを行う株式会社LiBは、有能な女性人材を惹きつける鍵として、「働き方のフォーマットを増やす」ことを挙げる。同社では、結婚や出産、育児、介護など、女性が家庭か仕事か、究極の選択を迫られた時、どちらかを捨てることなく両立できる仕組みを、続々と制度化している。その狙いと方策は何か、松本洋介CEOがずばり明かす――。
LiBの創業は2014年。その理念は、結婚・出産・育児・介護など、働く女性が直面する障壁の解決だ。(写真提供=LiB)

多様な就労スタイルがあっていい

東京・渋谷駅近くにオフィスを構えるLiB(リブ)は、転職サービスからさらに歩を進めた、働く女性向けの「ライフキャリア」支援サービスを提供する会社。だからこそ、働く女性がそれぞれ抱える事情やニーズ、希望にまで目が及ぶ。その結果として、中小企業でありながらも優秀な人材を確保し、その能力を遺憾なく発揮してもらうための術を知り尽くしている。創業は2014年、社員数71人(19年3月時点)。

「働き方の“フォーマット”を増やすことが、当社の事業として提供する転職サービスにおいても、社内の業務においても、多くの人材を惹きつけ、つなぎとめる鍵になると考えています」

そう語るのは同社CEOの松本洋介氏だ。

「フルタイムで朝から晩までという旧来型のフォーマット1つしかないと、結婚や出産、育児、そして介護などが要因でそれにハマらなくなった人は会社を辞めなければならない。それでは、長く働くことができませんので、労働人口が減少する中で人材はますます集まらなくなるわけです」

松本氏が「多様なフォーマットがあればいいのに」と考えるに至ったのには、これまで職場で見てきた経験の積み重ねがある。

「私はLiBを創業する前、リクルートやトレンダーズに勤務していました。いずれも所属していた部署の7~8割は女性。その女性の力で事業が伸びることを身をもって実感したんです。ところが一方、出産や育児、介護といったライフイベントを迎えた時に壁にぶつかり、『キャリアを断絶しなければならないのか』『この後も働き続けられるのか』と悩む姿もたくさん目の当たりにしてきました。そうした大きな負の部分を解決したいと考えて起業したのがLiBなんです」

当然ながら、その考えはLiB社内での人材確保・活用にも生かされているわけだ。その1つが「メンバーシップオプション」という考え方だ。

「今は、メンバーシップオプション制度という形では押し出していませんが、これまで、会社経営やフリーランスを続けながらLiBの事業にも携わりたいという人や他社在籍者で複業を行いたいという人を正社員として採用してきました。それは今後も続けます」

それだけに、働く場所や時間についても柔軟に対応している。

「フルタイムで働くか、時短で働くか。さらには週5か、週4か、週3かといった具合に、働き方を選ぶことができます。トータルの労働時間が短かければ、それだけ与えられるミッションも少なくなるので、結果として給料の額は少なくなります。その分『自由の報酬』を得られるというわけです。働く場所については、在宅勤務のようなリモートワークが増えると、会社にとってのセキュリティコストやコミュニケーションコストは増えます。しかしそうした働きやすい環境を整えるのも、会社全体がよりよりパフォーマンスを発揮するには必要なことなんです」