長い移動をより快適で生産的な時間に。それを実現してくれるのが、東北・北海道新幹線、北陸新幹線、そして新たに上越新幹線で導入される特別車両「グランクラス」だ。まるで“プライベートな書斎”のようなその魅力とは──。

くつろぎ派、仕事派のいずれをも満足させる

「出張」について、あなたはどんなイメージを持っているだろうか。ちょっとした旅行気分を味わいながら、社外の新鮮な空気に触れられる。そう考える人もいれば、多忙な業務のなかでの移動時間がもったいないと感じる人もいるだろう。

上質で心地よい空間によって、そのいずれをも満足させ、ビジネスパーソンの間で高い評価を得ているのが、東北・北海道新幹線のE5系・H5系車両、ならびに北陸新幹線のE7系・W7系車両で営業している特別車両「グランクラス」である。

プライバシーへの配慮も行き届いた、座り心地のよい広々としたシートと洗練された内装。列車によっては専任アテンダントから軽食や飲み物のサービスも受けることができる(※)

東日本旅客鉄道株式会社の営業部輸送戦略グループで副課長を務める中村圭助氏は導入の経緯について次のように説明する。

「当社が『グランクラス』の提供を東北新幹線の『はやぶさ』で開始したのは、2011年3月のことです。イメージはずばり“新幹線のファーストクラス”。新幹線の上級シートとしてはすでにグリーン車もありましたが、これまで見られなかったゆとりあるプライベートな移動空間とハイクオリティなサービスを新幹線でも実現できないか。そう考えたのです」

“特別な旅のひとときをあなたに”というコンセプトのもとでデザインされた車内は、上品で落ち着いた空間。木の風合いを生かしたドアやウールの絨毯が印象的なフロアには、本革などを使用したやさしい色調のシートがゆったりと配され、柔らかな明るさの照明がそれらを照らし出す。

「居心地のよい空間のなかで、静寂で価値ある時間を過ごしていただきたいと考え、インテリア設計ではすべてにおいて上質を追求しました」と中村氏。

こうしたコンセプトが高い評価を受け、「グランクラス」は2015年3月に開業した北陸新幹線、2016年3月に開業した北海道新幹線でも導入された。さらに、今年3月16日より上越新幹線に新たに投入されるE7系車両でも導入。旅行通や出張族の期待を集めている。

E5系車両に連結された「グランクラス」。1両わずか18席と贅沢にスペースを使用し、国内鉄道車両初となるバックシェルタイプのシートを配した車内は、まさに“新幹線のファーストクラス”と呼ぶにふさわしい。座席には、デスクライトや2段階に大きさを調整できるテーブル、半透明のパーテーション(2人掛け座席のみ)などが設置され、移動中、自分の書斎のように利用することができる。

快適な環境で移動時間を思いのままに有効活用

「グランクラス」の豪華な車内空間づくりのなかでも、多忙なビジネスパーソンにとってとりわけうれしいのが、個人のスペースがしっかり確保され、仕事にも集中しやすい、広々としたシート設計だろう。

「1両の座席数はわずか18席。シートピッチは130cmで、これはグリーン車の116cmより14cmほど広くなっています。実際にお座りいただければ、想像以上のゆとりを感じていただけるはずです。また座席の幅は52cmで、テーブルはノートパソコンを広げても余裕のあるサイズ。シートにはこれまでの鉄道車両では用いられてこなかったバックシェルタイプのものを使用し、最大45度までリクライニングできますので、お休みの際もゆったりとおくつろぎいただけます」(中村氏)

テーブルは2段階に大きさを変えられ、前後にもスライドできるため、自分にあった体勢でのPC作業が可能になる。ほかにも角度を自由に調整できるデスクライト、2人掛け座席の間に設置された半透明のパーテーションなど、快適な環境づくりのための細やかな配慮が随所にうかがえる。

「はやぶさ」や「かがやき」などの列車では、専任アテンダントが「グランクラス」の乗客に向けて特別に用意された軽食やドリンク、茶菓子の提供も行っている(※)。軽食は沿線ゆかりの食材を使用した土地土地の魅力あふれるもので、ドリンクは各地の銘酒、ソフトドリンクなどを用意。追加料金なしにオーダーが可能だ。

「4月より東北・北海道新幹線の『はやぶさ』、北陸新幹線の『かがやき』『はくたか』の『グランクラス』で提供している軽食、茶菓、一部飲料などをリニューアルします。軽食は名店『日本料理 一凛』店主である橋本幹造氏に監修いただきました。上質な車内空間とともに、ぜひご堪能いただければと思います」(中村氏)

ともすれば“空白の時間”にもなりがちだった出張の移動時間を、仕事を進め、英気を養う生産的な時間に変える「グランクラス」。その快適で静謐な空間を体験すれば、次回の出張がきっと待ち遠しくなるに違いない。

「グランクラス」の軽食、茶菓、一部の飲料がリニューアル

左/東北・北海道新幹線の下りで提供される和軽食。
右/新たに提供される日本酒。

2019年4月1日より、さらなるサービスの向上を目指し、「グランクラス」で提供される※軽食、茶菓、一部の飲料が、専門家の監修を得てリニューアルされる。軽食は「沿線の特色ある食材を生かす」という好評のコンセプトはそのままに、「日本料理 一凛」の店主である橋本幹造氏の監修による和軽食に一本化。茶菓ではホテルメトロポリタンエドモント総料理長岩崎均氏監修のパウンドケーキが登場。飲み物についても、著名ホテルやエアラインなどを顧客に持つ「はせがわ酒店」監修により、路線にあわせた銘酒を新規で導入する。

(※)アテンダントによる軽食、ドリンクのサービスは、上越新幹線ならびに下記ホームページに掲載された「グランクラス(飲料・軽食なし)」該当列車では提供されません。
https://www.jreast.co.jp/granclass/