世帯平均年収が高いブランド学区の公立小ってどんな雰囲気? どんな教育環境? 現役保護者に聞いた。

千代田区立番町小学校と大田区立田園調布小学校の保護者を取材

世帯平均年収が高いほど教育水準が高くなるということだが、実際にそうなのか。世帯平均年収が高い“ブランド学区”を取材。今回は、東京各区トップ小のうち、千代田区立番町(ばんちょう)小学校と大田区立田園調布小学校の保護者に、ブランド学区のメリットを聞いた。

「千代田区の教育事情を知らずに住み始めて7年になりますが、今の子育てライフに満足しています。桜がきれいな千鳥ヶ淵や、皇居、国会議事堂、国立劇場など観光名所も多いですし、番町文人通りをお散歩しながら子どもに文学の話をするなど、身近な場所でさまざまな知識を身に付けられます」と話すのは、番町小に子どもを通わせる桃井宏美さん。

番町小周辺では、送り迎えできないワーママを意識してか、塾や習い事教室などのサポート面が手厚く、マイクロバスが学校周辺まで迎えにくるサービスもあるそう。

「中学受験をするご家庭が多いようで、学校側も習い事関連も、サポート体制は万全。学校では、熱心な先生方が教育法を研究していますし、学芸会も運動会も、各学年に適した“感情や情緒”を育むような工夫がされています」

学校からオフィスまで、アクセスがいいのも最大のメリットだ。

「半休や離席扱いで学校の行事に参加できるので、仕事と子育ての両立はしやすいと思いますよ」

一方、田園調布小の千葉三紀子さんは、「土地柄、保護者の中には聞くと驚くような方もいらっしゃいますが、私立ではないのでお母さま方もカジュアル。ワーママも多く、付き合いやすいです」と公立小ならではの特色を語る。

「田園調布小の保護者は代々地元の人もいて、子どもたちを地域全体で育てる取り組みもなされていますし、最近は父親の参加も盛んです。また、熱心な先生方が多く、指導も手厚いです。普通の公立小なので、元気な子どもが多いのも特徴かもしれません」

番町小同様、中学受験させる家庭へのサポート体制は万全だ。

「大半の子が受験するので抵抗なく勉強する姿勢が育まれますが、カリカリするイメージはなく、子どもたちはいい意味でのんきで気楽な様子に映ります。習い事と両立する文武両道なお子さんも多いですね。先生方の声かけもプロフェッショナルで温かいです」

中学受験を考える家庭にとって、ブランド学区の公立小は、やはり狙い目なのかもしれない。

(左)番町小に子どもを通わせる 桃井宏美さん 正社員としてバリバリ働くワーキングマザー。結婚を機に千代田区へ移住。2人目の出産を経て、2018年9月に会社に復帰予定。
(右)田園調布小に子どもを通わせる 千葉三紀子さん 正社員として勤務する3児の母。祖父母の代から田園調布に住まいを構える。田園調布小の保護者には、自身の同級生も多い。