妻のフォローでコミットメントの精度を上げる

【河崎環さんの回答】

旦那さんは、少なくとも言われたことは(できるかどうかはともかく)やろうとする、とても素直な人なのですね。心も優しくて子育てにも協力的ときて、実はあなたはとてもラッキーな人だと考えてもいいかもしれません。世間では、(できない上に)言われたこともあーだこーだ理屈をつけたりしてやってくれない、そんな旦那さんに悩む奥さんも多いものです。

ただ、子供の安全に問題が発生するのは困りものです。それは最近流行りの“コミットメント”なわけで、言われたことを引き受けたからには、結果に責任が生じるのですよね。たぶん、旦那さんはソフトな性格のぶん、そこの考え方がちょっと緩いのかもしれません。

仕事の入り口はスムーズなのだけれど、出口も緩い。それでは仕事のクオリティが低くなってしまうので、ある種の生産管理の考え方を持ち込むと、かなり改善されます。彼に任せたいジョブをすべて明確に伝え、かつ、任せっぱなしにせずに途中で必ずクオリティ確認をするのです。LINEなどで「◯◯してくれた?」「◯◯の件、いまどうなってる?」「いまどこにいる? あと何分で着く?」口うるさいと思われようとも、むしろそれが夫婦としての役割分担というかあなたの妻としての“キャラ”、くらいに思ってもいいかもしれません。なぜなら、慧眼のあなたが見抜いていらっしゃるように、旦那さんはおそらくどこでもそういう調子で、身近に“きちんとして、マメな人”を必要とするタイプだからです。

このようなことで、旦那さんへ罪の意識を感じる必要はありません。夫婦とはお互いのデコボコを補い合うもの。きっとあなたにも何か不得手なことがあり、それを旦那さんが補ってくださっているはずなのですから。

女性回答者プロフィール:河崎環(かわさき・たまき)
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。

文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行