結婚に向かない男性とは?

一番わかりやすいのは不倫です。あなたに対してどんなに誠実に見えても、どんな美点があろうとも、その男性は「パートナーを裏切ることができる人物」です。結婚という契約をするには、あまりにもリスキーな相手といえます。

経済力がない男性も、結婚相手には向きません。「私が支えればいい」と、母親のような気持ちになる女性もいます。初めはいいのですが、その状態が続くと、心が疲れてしまいます。なぜなら女性は「安全欲求の強い生き物」だからです。「自分が稼がないとダメ」という追い詰められた状況では、本能的な安全欲求が満たされず、幸福感が得られないのです。

金銭感覚や、家族との距離、仕事の仕方を独身時代のまま変えたくないという男性も、結婚には向かないですね。

イラスト=深川 優

お互いバツイチのカップルは冷静で、結婚への価値観を共有しやすいため、相性がいいのですが、難しいのは女性が初婚で男性がバツイチの場合。憧れが強い女性に比べて、男性は冷めている分、どうしても温度差が生じやすい。

キャリア女性にとって、自分を理解してくれるパートナーとの結婚は、重要なテーマのはず。夫となる相手に望むことをリストアップする前に、まずは自分自身をプロファイリングすることをおすすめします。特に自分にとっての仕事の位置づけについてはしっかり考えておきましょう。それによって、結婚生活と仕事のバランスも、結婚相手に望むことも変わるはずです。

誤解してほしくないのは、出会いそのものがドラマチックである必要はないということ。結婚相談所や婚活パーティーで出会ってもいいんです。そこから、奇跡の時間を積み重ねていける相手なら問題ありません。ただし、相手を選ぶときに、自分が絶対譲れない条件を5つくらい持っておいたほうがいいでしょう。

もし結婚したいと思うような男性と出会えたときは、彼の友達や周りの人にできるだけたくさん会うことです。周囲の人とどう付き合っているのかを知る中で、彼という人物が客観的に浮き上がってくれば、自分にふさわしい相手かどうかも判断しやすくなります。

最も避けてほしいのは、年齢や寂しさからくる不安で、焦って結婚を決めることです。そういう気持ちで選んだ相手とは、幸せが続かないことが多い。一生を共にできる、自分にふさわしい相手を選ぶ――。そんな強い意志で未来の夫を選ぶようにしましょう。

石井希尚(いしい・まれひさ)
結婚カウンセラー、作家、牧師。東京都出身。アメリカで一般カウンセリング、プリマリタル・カウンセリング、聖書学などを学び、インターンを経て牧師となる。20万部を超える代表作『この人と結婚していいの?』(新潮文庫)をはじめ著書多数。経営するカフェ「KICK BACK CAFE」にて、結婚・恋愛問題を中心にカウンセリングを行う。久美子夫人との二人三脚で多岐にわたって精力的に活躍中。

構成=工藤千秋 撮影=岡村隆広 イラスト=深川 優