MICE事業を促進する新しいビジネス拠点として

【松延】西武グループは宴会場運営のノウハウは十分にあるのですが、未来を志向するよりよいコンベンション運営を実現するためのパートナーが必要と判断しました。そこで、コンベンションの企画・運営で古くから実績のある、日本コンベンションサービスとパートナーシップを結ばせていただいたのです。

【大和田】1年以上前から、西武プロパティーズ、鹿島建設などの建設サイドの皆さんと毎週、会議を重ねました。我々にとっては、大きな図面を囲んで建設用語が飛び交う会議は初めてのこと。

それぞれに、クリアしなければならない課題はありました。運営側から見たカンファレンスの改善提案は、建設側には難しい課題になり、その逆のケースもあったのです。

例えば、天井。「紀尾井カンファレンス」はカンファレンス用建築物ではなく、ホテルや商業施設が併設された建物にビルインする会議場です。そこで問題になるのが天井高です。それでも一致団結して問題点に取り組み、天井高3.9メートルを確保できました。

お互いの文化の違いや、建物、電気、水回りなど、それぞれの分野でのプロフェッショナルぶりを感じましたね。

左/セミナールームは4部屋、写真はABルームを連続で利用した例。右/20人規模の会議が可能なサクラルーム。モダンファニチャーを採用した明るい室内は、未来を語らう場に最適だ。

【松延】課題を的確に指摘して柔軟な対応をしていただきました。日本コンベンションサービスと協業して良かったと思いましたね。

【大和田】リラックスして「未来を語る」会議が行えるように、緑色の座り心地の良い北欧のカフェチェアを備えた部屋もあり、各部屋にテーマを設け、用途に応じてお選びいただきやすい施設が実現しました。通常のカンファレンス会場では選択できないレベルの贅沢な什器をセレクトしましたので、品格が漂う空間になったと思います。

グローバルなビジネスの拠点として、東京はさらに、カンファレンスの誘致を通じてアジアをリードしていくと感じています。

また会議室を持たない企業が増える中、こうした施設がさらに必要とされるはずです。日本有数のランドマークを手掛けてきた西武グループと、とりわけ歴史のある紀尾井町で、カンファレンス施設づくりで協業するということは、弊社としても大きな意味があります。

カンファレンス施設として最高級の仕上がりになっただけではなく、日本のMICEにとっても大事な場所となるでしょう。

セミナールームや控え室など、採光が考慮されたカンファレンスはモダンな雰囲気で統一されている。カンファレンス・メインルームに続く廊下を背景に。左/西武プロパティーズ 松延氏、右/日本コンベンションサービス 大和田氏。