きめ細かなサポート制度と独自の技術で、システム建築の可能性を開く横河システム建築。地域経済の活性化にも寄与する同社の事業展開と今後について、髙柳隆営業本部長が語った。
各地の建設会社などを多面的にサポート
「地域の中小企業と、その工場や倉庫などを建ててきた建設会社。この両者の強い結び付きが、ある面ではこれまでの日本経済を支えてきました。しかし世代交代を経て、そのつながりにも変化が見られます。一方で、短期間に低コストで丈夫な建物を造ってほしいというニーズはさらに高まっている。そうしたなかで当社は、地域の中小企業のニーズを素早くくみ取り、また地元の建設会社をサポートし、地方創生の一翼を担いたいと考えています」
こう話すのは、横河システム建築の髙柳隆営業本部長だ。いま、同社の業績が好調である。システム建築のオリジナルブランド「yess建築」(Yokogawa Engineered Structure System)の2015年度の販売実績は、棟数、面積いずれも前年度比で2割以上増加した。
「全国の鉄骨造の工場・倉庫のうち、約9割は面積2000平方メートル以下。まさに地方のゼネコンや工務店が主に請け負っている物件です。この領域にしっかりyess建築を供給できていることが、業績を後押ししています」
地域の建設会社などとの連携──。それを支えているのが横河システム建築独自のビルダー制度である。ビルダーとは、yess建築の販売・施工を行う代理店のこと。地方案件を数多く取り扱う同社にとって、全国に約760社あるビルダーのネットワークは不可欠だ。メーカーである横河システム建築は、元請けや施工を行わない。代わりに、各地のビルダーを徹底サポートしているのである。
代表的なサポートとして、ビルダーが共同運営するサイト「yessビルダーズネット」への施工事例や参考価格算出システムの提供がある。
「現在は施主様もネットで建設会社を探すケースが増えています。そこで費用感などが分かれば、yess建築への関心も高まるはず。おかげさまで『yessビルダーズネット』は工場や倉庫を建てたいと考える企業に浸透してきており、検索サイトでも上位にランクインしています。地方の各建設会社が検索サイトで上位に入るのは簡単ではありませんが、当サイトを通じてなら全国約760社をしっかり紹介できる。いまやyess建築の重要な窓口です」と髙柳氏は説明する。
さらに横河システム建築では、ビルダー向けに「見積エントリー&Web見積システム」も提供している。このシステムを使えば、短時間で正式な見積書やフレーミングプラン図の作成までが可能。ビルダーから施主へ、具体的な提案をスピーディに行えるのだ。