国内唯一の専用工場で高品質、低価格を実現

店舗から工場まで、幅広い建物に対応するyess建築。いずれの建物にも同社が開発した特殊なフレームが用いられている。下の写真は千葉県富津市にある赤星工業の工場。幅60m、長さ50m、高さ12.7mの建屋に、9m×10mほどのカラフルな大開口シャッターを備えた意匠性の高い施工例。

ビルダーとの密接した連携に特色を見せる横河システム建築。一方で、技術面でも強みを持っている。第一は、建物の根幹となるフレームの加工技術だ。超高層ビルや橋梁に用いられる高張力材を採用し、力のかかる部分は太く、かからない部分は細くという特殊なフレームを開発。通常100トンの鉄骨を必要とする建物が、yess建築なら60トンで建てられるという。当然、その分材料費は節約できる。

それでいて無柱で最大60メートルスパン、中間柱ありで同120メートルスパンを実現し、30トンクラスの天井クレーンも設置可能。目的や用途に応じて1ミリ単位の調整もでき、オーダーメード感覚でシステム建築のメリットを最大限引き出せる。

特殊なフレームの製造には、同社が国内で唯一保有するシステム建築専用の工場が力を発揮する。コンピューター制御された自動化ラインをもつ千葉県袖ケ浦市のこの工場では、材料の調達、設計、加工、物流を一貫して行うという。

「例えば長さ約8メートル、幅約1メートルの当社のフレームを、もし一般的な加工工場で製造しようとした場合、1日で20本が限度でしょう。それが、専用工場をもつ当社なら80本は造れます」

専用工場の利点はほかにもある。材料を大量に保管しておけるため、原価が安い時に購入することで価格変動のリスクを抑えることが可能。また材料手配のスピード化にもつながる。同社は昨年、大阪にも生産拠点を設け、より迅速な対応ができる体制を整備した。

システム建築が鉄骨造のスタンダードに

加えて同社では、現場での確かな施工を支える制度も用意している。

「鉄骨や板金の職人さんたちを研修する『エレクター制度』というものを設けています。オリジナルの工法なので教育は重要。この取り組みのおかげで、人手不足といわれるなか、人材面の強化も果たせています」

ビルダー制度や高い技術力、施工人材の育成などで独自性を追求する横河システム建築。最後に、業界や自社の未来像について聞くと、髙柳氏からは次のような答えが返ってきた。

「将来、システム建築は工場や倉庫など鉄骨造のスタンダードになっていくと考えています。その実現に、当社も積極的に関わっていかねばなりません。そう考えたとき、今後はより上流工程、つまり建物の企画段階から中小企業や建設会社を支援できる体制を整えていく必要があります。川上から川下まで一貫したサポートによって、当社自身の事業基盤を固めながら、地方経済の活性化により貢献していく。それが私たちの役割だと思っています」

次代のスタンダードを本気でつくり上げようとしている横河システム建築が、今後どんな取り組みを進めるのか。注目する必要がありそうだ。