土地オーナーとともに、入居者からも高い支持を集めている大和ハウス工業の賃貸住宅。防犯に配慮し、女性のニーズに応える商品の開発背景などを、同社の堀福次郎取締役常務執行役員に聞いた。
税務対策が関心事!
セミナー参加者が5割増
数十年もの長い間、安定的な収益をもたらし得る資産。それが土地である。先祖代々の土地、自身で取得した土地など、背景はさまざまだろう。その運用方法も多様だが、なかでも昨今、賃貸住宅経営への注目度が上昇していることを、大和ハウス工業取締役常務執行役員の堀福次郎氏は実感するという。
「土地オーナーの皆様にとって共通の悩みが税金。毎年の固定資産税や都市計画税のほか、いま最大の関心事は将来の相続税です。今年、当社が催す相続対策セミナーへの参加者数は、例年より約5割も増えました」
賃貸住宅経営が土地の相続税評価額を大幅に圧縮するほか、多面的な税務対策になることはよく知られている。
「そうしたなかで、土地の持つ価値を最大限引き出すのが私たちの仕事です。それぞれの土地の特性を生かし、安定収入を生み出すにはどうするか。税務対策をサポートしながら、将来、いわゆる私的年金を得る手段をオーナー様のパートナーとして検討します」
さらに堀氏によると、富裕層の間では土地を購入し賃貸住宅を建て、その減価償却費を所得税対策に生かすケースも増えているという。大和ハウス工業では、そうした現金を不動産に置き換える資産運用も支援している。
女性のニーズに応え
人気を獲得
賃貸住宅経営は確かに資産運用の有望な選択肢だ。しかし「入居率が気になる」という声に大きくうなずく堀氏。
「当社グループは一括借上システム(※)もご用意しています。とはいえ、もしオーナー様がご自身の物件の前を夜に通りかかり、空室で灯りがともっていないのをご覧になれば、その寂しさや不安は当然のことです。そこで当社は、ご入居者が本当に喜ぶ住まいを追求し、より高い入居率を目指しています」
入居者目線で満足度の高い部屋を実現すべく、大和ハウス工業はグループ会社である大和リビングの賃貸物件を調査。単身入居者の女性比率が約27%で、さらに防犯上の理由から1階に住む女性は全体の約19%にすぎないことに着目した。
「そこで2010年、当社は業界で初めて警備会社のホームセキュリティシステムを各戸に標準装備した防犯配慮型賃貸住宅『セジュールウィット-S』『セジュールオッツ-S』(以下、S)を発売。翌年から防犯配慮型賃貸住宅 for Women『セジュールウィット-SW』『セジュールオッツ-SW』(以下、SW)も展開し、女性が一人でも安心して暮らしたいというニーズに応えています」
SWは、各地で入居待ちが出るほどの人気である。その仕様における四つのポイントは、次のとおりだ。
(1)セーフティ&セキュリティ──ホームセキュリティシステムを標準搭載。駆けつけサービスや「侵入しにくい」と思わせる防犯アイテムで安心、快適な暮らしを提供。
(2)ビューティー──「いつでもキレイでありたい」という声に応えるため、ドレッサータイプで収納力があり、メイクアイテムもたくさん置けるワイドサイズの洗面化粧台を採用。
(3)収納──それぞれのものをふさわしい場所にしまえる収納や大容量のウォークインクローゼットなどで、たくさんのものを片付けられる環境を実現。
(4)デザイン──人気の色やデザインで空間を彩ることで、おしゃれに暮らしたいと願う女性の気持ちに応える。
「こうした工夫を、女性に限らず、男性入居者も評価してくださり、いまや当社の手がける賃貸住宅は約9割がSまたはSWです」
※一括借上システムは、グループ内の企業体である大和リビングカンパニーズが管理・運営します。一定の基準、条件があります。