固定価格買取制度も3年目に入り、今後は新たな段階に──。日本生まれの太陽光発電メーカーによる未来志向の戦略とは。
サンテックパワージャパンは、その前身であるMSKが他社に先駆け建材一体型太陽光モジュールを開発した歴史をもち、常に業界の最先端を走ってきた。今後、同社はどのような優位性や戦略をもって国内の太陽光発電市場に臨むのか。山本豊社長に聞く。
──固定価格買取制度の見直しが、2015年3月に迫っています。
【山本】買取制度がどう変わっても、太陽光の発電コストはすでに既存電力の発電コストと同等になりつつあります。今後、住宅用、産業用のいずれにおいても、太陽光発電は当たり前の選択肢の一つとなるでしょう。結果、設置する建物の種類をはじめ、ニーズは多様化します。そこで当社は、幅広い設置環境への対応力や施工性の向上を追求しています。また当社の前身からの実績を踏まえ、新製品開発に挑戦しながら、施工やメンテナンスを含んだトータルなコストの低減と、長期の充実したサービスでも優位性を追求します。
──先頃、「PVJapan2014」に多様な製品を出展されました。反響はいかがでしたか?
【山本】これまでノウハウを蓄積してきた屋根建材一体型モジュールのほか、2.5メートルもの積雪に耐える多雪地域向けのものや塩害にも強い高耐候性の製品などを参考出展しました。おかげさまで、従来にはなかった機能、発想をご評価いただいています。具体的な技術としては、例えば生産技術が難しい新素材を使ったWガラス構造のモジュール。これはデュポン(株)、旭硝子(株)と共同開発したもので、耐候性に加え、美観、耐荷重性にも優れているのが特徴です。現時点では、モジュールの理想形と自負しています。そのほか、透明樹脂を採用したライトスルーモジュールも弊社の得意分野。カーポートやエクステリアをはじめ、多彩な設置ニーズにお応えします。
高出力、高効率を実現する
住宅用モジュールを新発売
──10月には、住宅用モジュールも新発売されるそうですね。
【山本】当社の従来製品との比較でお話しすると、セル面積を拡大し、3本だったバスバーを4本にすることで、モジュール出力および変換効率を高めました。最大出力は従来の255Wに対して、270Wと約6%向上。変換効率も1%程度アップし、16.6%です。モジュールは20年以上使用するだけに、これらの差は積算すると非常に大きくなります。しかも当社の量産能力を生かし、他社の高出力モジュールに対し、競争力ある価格でご提供できます。さらに強調したいのは、全国をカバーする万全のサポート体制です。もしものときは、全国170拠点から3日以内にエンジニアが訪問し、保守にあたります。今回の新製品も、性能・価格・サポートとも十分ご納得いただけると思います。ぜひご期待ください。