※本稿は、松澤保成『「自ら勉強する子」の親がしているたった1つのこと』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
親がつい言ってしまうフレーズ
「なんで勉強しないの?」
多くの親御さんが、一度は口にしたことのある言葉ではないでしょうか。
この言葉が出るときというのは、心配だからなんですよね。
「やる気がなくなっているのでは……」「遅れていないか……」という不安から、つい口をついて出てしまう。
ただ、この「なんで?」には、子どもにとって責められる響きがあります。
「理由を説明して」と原因を追及されているように感じてしまうのです。
一方で、「最近、勉強はかどってる?」と聞かれたとき、子どもの心は少しだけ「考えるモード」になります。
「うまくいってる?」「何かつまずいてる?」という、その問いの裏には信頼があるからです。
高校1年の男子に母親が声がけすると…
ある高校1年生の男の子の話です。
春から塾に通いはじめたものの、部活との両立でなかなか学習が進みませんでした。
お母さんはあせっていました。
「なんでやらないの?」「もうテスト前だよ!」と口にするたび、その子は「わかってるって!」と部屋にこもってしまう日々。
ある面談のあと、私はお母さんにこうお願いしました。
「『なんで』を『どんな』や『何』に変えてみてください」
その夜、お母さんはその子にこう声かけをしました。
「最近、勉強は何やってるの?」
「どんな教科が進みやすい?」
その子は少し考えてから答えました。
「英語はけっこう続いてるけど、数学は止まってるかも」
お母さんは「そうなんだね。止まってる理由、思いあたる?」と聞くだけに留めました。
数日後、その子は自分から塾の先生に「数学の復習のスケジュールを立てたい」と相談に来ました。
親が「原因を追う質問」から「状況を知る質問」に変えるだけで、子どもは「話してもいい」と感じるようになります。
勉強が動き出すのは、叱られたときではなく、わかってもらえたときです。


