大学側の情報発信による長所と短所
受験生や保護者の価値観が多様化し、年内入試など入試方法も多様化してきた現代では、一般選抜を受けて自分の偏差値で入れるそこそこ有名な大学を選ぶというスタイルは、かつてに比べると薄れつつある。
伝統がある有名大学では提供していない、自分の関心に合った分野の教育を提供している大学を選ぶ。そのような受験生が増えているのであれば、本来あるべき大学選びのスタイルが広がっているといえる。大学界全体としては喜ばしい現象と言って良い面かもしれない。
たしかに各大学がウェブサイトやSNSを使った情報発信に力を入れるようになったことで、受験生や保護者が自力で欲しい情報を探して判断しやすくなった。
ただ、受験生や保護者が入試関連情報の見極めに精通しているとは限らない。
自力で大学選びを進める際の注意点
また、大量の情報があふれかえるなか、自力で大学選びを進める際には注意が必要だ。
大半の大学は、受験生にアピールする際、就職実績や取得可能な資格などのポジティブな情報ばかり提供するからだ。高い中退率や厳しい経営状況といったネガティブな情報は極力伏せようとする。
河合塾の近藤氏も、受験生や保護者がアンテナを高くする意義を認めつつ、SNSなどには「うちの子はこうやって偏差値を大きく伸ばした」といった怪しげな情報も氾濫しており、注意が必要だと指摘する。
「最初から合格のしやすさを重視して受験する大学を探すのではなく、純粋に『興味がある分野を学ぶことができるか』という視点で探すことが大切だ。早く進学先を決めて受験料や入学金を節約したい気持ちは理解できるが、入学後の学びや卒業後の進路もにらんで、長い目で見て後悔しない大学選びをしてほしい」とアドバイスする。


