国内のEC市場は30兆円規模に迫り、さらなる成長が見込まれている。さまざまな事業者が参入するものの「商品力の壁」に直面し、撤退を余儀なくされるケースは後を絶たない。「まずは最上流に目を向けることが重要だ」と話すのは、海外物販ビジネスに強みを持つ総合マーケティングカンパニー、LeaguE(リーグ)の代表取締役CEO・武智翔太郎氏、取締役副社長COO・永山大地氏だ。

着々と成長するEC市場今後の伸びしろに期待

――近年の国内EC市場の動向や今後の見通しについて教えてください。

【武智】経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」によれば、2024年時点で国内のEC市場の規模は約26.1兆円、前年比約5.1%増と報告されています。今後も市場の拡大が期待される中、商品をウェブサイト上に並べるだけでなく、ライブコマースで商品の魅力や背景にある「ストーリー」を付加価値として伝えるなど、変化、多様化する消費者のニーズを捉え、販売戦略のトレンドも変化しています。

[写真右] 株式会社LeaguE代表取締役CEO 武智翔太郎(たけち・しょうたろう) [写真左] 株式会社LeaguE取締役副社長COO 永山大地(ながやま・だいち)
[写真右]武智翔太郎(たけち・しょうたろう)株式会社LeaguE代表取締役CEO
[写真左]永山大地(ながやま・だいち)株式会社LeaguE取締役副社長COO

【永山】海外にはEC化率がおよそ50%に達している国がある一方で、日本はまだ10%程度にとどまっているといわれています。島国であること、DXの進展で後れを取っていること、言語の壁があることなど、複合的な要因が考えられますが、言い換えれば、これらの課題にしっかりと向き合って対応していくことで、大きな「伸びしろ」を生み出せるということです。

【武智】好機を求めて続々と事業者が参入してくるのですが、そもそも何が売れるのか分かっていなかったり、多額の開発コストを回収できなかったり、高い「商品力の壁」を乗り越えられずにつまずいてしまう例が多いのも実情です。

未上陸のガジェットを「独占販売」で展開する

――つまずいてしまう理由はどこにあるのでしょうか。

【武智】事業者が陥る課題の本質は、自社のこだわりを優先し過ぎるプロダクト・アウトの発想や、断片的な情報に基づく安直な参入にあります。例えばサプリメントや化粧品などの領域は、大手企業が巨額の広告費を投じているレッドオーシャンです。機能性の差別化が難しく、独自性のない商品を海外から安く仕入れて売るだけの手法では、体力のない事業者は即座に価格競争に巻き込まれてしまいます。

【永山】そこでわれわれは、機能性やストーリーで他社と差別化が図りやすいガジェットを核に据えた「ガジェットファースト戦略」を打ち出しています。国内の物販市場で、ガジェットは他分野と比較してEC化率が約40%と非常に高く、オンラインで購入されやすい領域です。海外には「世界最小」や「世界最薄」といった消費者に響きやすい強みを持ち、すでに一定の評価を得ている日本未上陸の製品が数多く存在します。それらをいち早く発掘し、「独占販売」の権利を得て展開することで、無駄な開発費や宣伝費を費やすことなく、競合の少ない市場を構築することが可能となるのです。

【武智】当社が提供しているのは、単に既存の商品の販路開拓を後押しするコンサルティングサービスではありません。事業の最上流、つまり「商品企画・調達」の段階から深く関与し、勝つための戦略を設計して伴走することを強みとしています。これまでの経験に裏打ちされた海外メーカーとの「交渉力」や、海外の展示会などへ積極的に足を運んでいるからこそ築き上げることができた「強固なネットワーク」、これらを駆使して市場攻略のための策を練り上げます。海外製品の独占販売権を得るには、メーカー側から数万個単位のMOQ(最小注文数量)を求められることが一般的です。過大な在庫リスクを抱え得るわけですが、ECビジネスにおける当社の実績や、テストマーケティングを兼ねた先行受注スキームを用いることで、例えば「受注した分だけを仕入れる」といった条件での契約に持ち込むなど、多様な手段を講じてリスクの低減を図ります。

【永山】高機能な掃除機や新感覚の座り心地が支持されているソファなど、海外で成功を収めた製品が日本市場で地位を確立する例がいくつもあることは、皆さんもよくご存じでしょう。事業者がその「日本総代理店」となって独占的に販売することは、単に売り上げを積み上げるだけでなく、将来的な事業計画においても大きな意味を持っています。事業を成長させた後にライセンス売却するイグジット戦略を描くなど、EC事業は価値ある「資産」としての側面もあるのです。

【図表1】日本初上陸×独占販売によるEC戦略

ビジネスのノウハウ獲得は企業の基盤強化にも貢献

――今後についてお願いします。

【武智】「第二の収益の柱」を模索してEC市場に参入し軌道に乗せた企業さまや、副業として取り組んで結果を出している個人事業主の方もいらっしゃいます。当社と一緒に取り組むことで、担当者が一人でもビジネスを展開できる点も魅力です。また支援を通じて、いまやEC事業においても不可欠なAIをどう活用して経営戦略に落とし込むのかなどもお伝えしています。そのノウハウは本業にも還元され、社内リソースの最適化や効率化の促進、リスキリングにつながったりと、副次的な効果があったというお声も頂いています。

【永山】一方通行の関係ではなく、一緒に何度も挑戦できる「共創」のパートナーでありたいと考えています。

【武智】海外と深く関わるビジネスにおいては、地政学的な影響などを受けてセオリーどおりに事が運ばないこともあります。そうした状況下で大切なのは、計画の進展や停滞に一喜一憂せず、いかに柔軟に動いて打開していくか。あらゆる成功と失敗のパターンを見てきた私たちの真価を、発揮したいと考えています。