PTA会費は何に使われているのか

こうした予算を、PTAはなにに支出しているのか。一つひとつ見ていこう。

まず、PTA自体の運営費である。会員に向けた連絡のためのおたよりや事務用品、会議を開催する際の会場費、資料の印刷費用、お茶代などがこれにあたる。印刷機をリースしたり、パソコンを所有したりしていることもある。昨今は、メールやビジネス用SNS、オンライン会議を活用することで運営費を圧縮するPTAも増えている。

次に、PTAの活動費である。レクリエーションや講習会など、PTA主催イベントなどの事業費用が該当する。必要物品の購入費や会場費、講師やゲストの謝礼のほか、広報紙をつくっている場合は印刷費、制作費、デザイン料がかかるだろう。

ただし、工夫すれば会費をほとんど使わずに活動することもできる。イベントの飲み物は各自が持参するようにしたり、参加者の合意のもと実費を参加費として集めて用意したりもできる。PTA行事として人気の給食試食会も、参加者が自分の給食費を支払って参加することが多い。広報紙も、構成を簡素化したり、ペーパーレス化で印刷代を削減したりしているケースがある。バザーや廃品・資源回収、地域のお祭りの出店などで収入を得て、活動費を賄うこともできるだろう。

【図表】PTA会費の主な使いみち
福嶋尚子さん、栁澤靖明さんの話を基にプレジデントオンライン編集部作成

問題が相次ぐ上位団体への分担金

PTAが、市区町村、都道府県などの上位団体のPTA協議会/連合会に加入している場合、会費を支払う必要がある。

ただし、日本PTA全国協議会(いわゆる日P)では、会計管理が問題となり刑事事件にまで発展した(*1)。下部組織の退会が相次ぎ、会員数の急減が起きている(*2)。さらには、岡山県PTA連合会に次いで埼玉県PTA連合会が2026年3月、解散を決議している(*3)。今後も会員が支払った会費から上位団体に会費を“上納”するしくみは、各地で見直されていくだろう。

また、「PTA保険」に加入している場合、PTAが会費から保険料を一括して支払っていることもある。PTA保険は、PTA活動中の事故に伴うけがや物品の破損などが補償される保険だ。個人で支払うよりかなり安いことに加え、P連にとっては「事務手数料」名目での保険事業収入が大きな収入源となっていることが多い。

しかし、収益が横領される事件が起きたり、営利団体でもないのに余剰金が多くなったり(*4)、個人で加入している保険で対応できる場合もあることから、「PTA保険」への加入にも疑問の声が上っている。

*1 2024年8月18日朝日新聞デジタル PTA全国組織「日P」に激震 元幹部逮捕で会計管理の甘さ浮き彫り
*2 2025年4月19日 読売新聞オンライン PTA全国組織、1年間で会員100万人減…不祥事受け千葉県や横浜市など下部組織が退会
*3 2026年3月27日 埼玉新聞 埼玉県PTA連、解散へ…80年の歴史に幕、全国2例目 各校PTA会長がオンラインで議決、賛成多数で反対は1校のみ 1949年に結成、生活スタイル変化、不適切運用…これまでの変遷 会長「PTAはなくならないと思う」
*4 2024年8月20日 朝日新聞デジタル 「割安」な保険料のPTA保険 手数料収入で会費の抑制にも