桜蔭の記述問題の模範解答
問四 (文中の)「〈しなやかな強さ〉というのは、こういう関係の中から生みだされるようです。先の『ひとりでできるもん!』と強がっているはずでも、実は『とても脆い』ことと対照的に思われるのです。」について、「しなやかな強さ」が「とても脆い」ことと対照的とはどういうことですか、具体的に説明しなさい。
模範解答
欠けている機能や能力を埋めたり、新たな機能を追加したりしてロボットが自分の力で事態をのりこえる完全さを究めようとしても、想定外のことが起こると対応できず脆さを露呈する。弱みのあるゴミ箱ロボットが子どもの手助けを引き出したように、不完全なもののほうが互いの協働を生み、弱さを補い合って柔軟な強さを引き出すということ。
なお、この模範解答は学校が発表しているものではなく、エルカミノで用意したものです。講演会では、続いて「よいように見えて実はよくない解答」を資料に載せています。
よいように見えて実はよくない解答
ロボットに機能や能力の欠けているところがあるなら新たな機能を追加し完成度を上げていくが、やはり想定外のことが起こると立ち往生してしまう脆弱さが露呈される。ゴミ箱ロボットなのに、自分ではゴミを拾えないし見つけることもできない弱さを見せると、そばにいた子どもたちの手助けを引き出して子どもたちに活躍の場を提供し協働を生む。
保護者には「この記述をお子さんが書いていたら、少なくとも△はもらえそうと安心してしまいませんか? でも、部分点すらほとんどもらえません」というお話をしています。では、どこが問題なのでしょうか。
この問いで聞かれているのは、「完全と思われるロボットにはできないが、不完全なゴミ箱ロボットにはできている」ことの説明です。
完全を求めて完成度を上げていくロボットは、誰の力も借りず自分だけで完結できるよう、さらなる「足し算のデザイン」を施されます。しかし、想定外の事態には立ち往生してしまいます。
一方、ゴミ箱ロボットは自分でゴミを見つけることも拾い上げることもできない不完全なロボットです。しかし、不完全であるがゆえに、子どもたちの手助けを引き出し、結果、ゴミを拾うという目的を達成します。
まずはこのように対立構造を明らかにします。
そのうえで、「よいように見えて実はよくない解答」の問題点を見ていきましょう。

