「細かく区切らない」間取りがいい
それでは実際に、「頭のよい子」がどんな家で育っていたか、実例を見てみましょう。頭のよい子を育てるには、家の構造で言うと、スケルトン・インフルと言って、家の中を細かく区切らずに、一つの空間として勉強もする、テレビも見る、本も読む、といった空間構成が基本です。
例えばマンションでは75平方メートル=3LDKを基本とした場合、これまでは75平方メートルをいかにして4LDKにするかが、差別化のポイントと考えられていましたが、20年前、伊藤忠都市開発と埼玉県北与野市に「頭のよい子が育つマンション」を作ったとき、夫婦のベッドルーム以外は全てガラス張りでオープンにしました。
これは、業界の定義では1LDKとなるのですが、これまで狭く感じた空間が広く、明るくなったと好評でした。またキッチンを中心とした親子のコミュニケーションスペースも初めて採用しました。結果、多くの問い合せ、大阪や北海道からモデルハウス見学、テレビ取材など大きな反響を呼びました。そして今では、スケルトン・インフルによるワンスペースを基本とするマンションも多数登場しています。
親子のコミュニケーションが成長を促す
もちろん、頭のよい子を育てるには、スケルトン・インフルにすればよいというだけではありません。大切なのは空間の使い方です。
こちらのプランをご覧ください。Gさんの家の間取りです。子ども部屋にある本棚が家族で共有されていたことで、本棚が家族の集まる場所となっていました。
お父さんが子どもの頃読んでいた、漫画『巨人の星』を手に取った女の子のGさんは、主人公のガールフレンドがガンに侵され6カ月の余命である場面に接し、1秒も無駄にできない生き方を悟ります。命の尊さを学んだGさんは、看護師になることを決意、その後、大学の看護医療学部に進学し、今では病院のリーダーとして活躍しています。本棚にあった『巨人の星』、これが父子の心のコミュニケーションとなって、ひとりの女の子の進路を決めたのです。
さらにいうと、ただ本を置くだけではダメでして、どんな本をどうやっておくのか。実はこれが頭のよい子を育てる最大のポイントなのです。



