地域によって大きく異なる内申点の重み

公立中学でそこそこに勉強して地域で2〜3番手の公立高校に入り、指定校推薦で難関私大を手堅く狙うという戦略は、単純な労力や費用のみを考えたら最もコスパが良いルートです。定期テストなどに手を抜かずにコツコツと努力できるお子さんは、こちらの指定校ルートを検討してみるのもよいでしょう。

公立高校受験を忌避し中学受験に向かう理由として、最もよく挙げられるものの一つが「うちの子は公立中学で内申点が取れそうにないから……」ではないでしょうか。

評定
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ご存じの方も多いかと思いますが、内申制度というのは、高校入試において、生徒の学力だけでなく、授業への態度、提出物、学校生活の様子、出欠状況などを総合的に評価し、その結果を「内申書(調査書)」という書類に記載して高校へ提出する制度です。

各都道府県ごとに内申点を加味する割合は様々で、例えば東京都立高校入試では、学力テスト7割・調査書3割という配分になっています。

全国を見渡してみると内申点を重視する地域(兵庫県など)と当日点を重視する地域(千葉県など)があり、これは学力さえ高ければ内申点にかかわらず難関校への道が開ける地域と、学力が高くても内申点によって難関校を目指すことが難しくなる地域があるということを意味します。

「内申弱者」だったからこそ得られた視点

伊藤滉一郎『子どもが沈まない 親が無理しない 小中高大受験戦略』(日本経済新聞出版)
伊藤滉一郎『子どもが沈まない 親が無理しない 小中高大受験戦略』(日本経済新聞出版)

公立中学における内申点というのは、(近年は改善されている地域もあるようですが)テストの点数や挙手の回数などによる定量的な基準だけでつけられるものではなく、(特に実技科目では)教員の一存で「素直で愛想が良いから」などといった極めて曖昧な基準でつけられることも多いのが現状です。

実際、こうした不確実性に不安を感じる親子は多く、これが中学受験参戦の決め手となることも少なくありません。ただ、多様なバックグラウンドの生徒が集まる公立中学において、教師が生徒をコントロールする上で内申制度が防波堤になっている側面もあり、「治安維持」に一役買っているという見方もできます。

ちなみに私は中学時代、圧倒的「内申弱者」でした。授業中に寝ていたり、先生に反抗するタイプの幼い生徒だったこともあり、数学の定期テストで98点をとっても「3」がつけられてしまったという苦い思い出があります。

しかも当時の愛知県の高校入試は、内申点の比重が40%程度あり、一定の内申点を下回るとその時点でトップ公立校への道が閉ざされるという悲しい仕組みになっていました。私は当然、公立高校は諦めざるを得ず、遠く離れた私立校に進学することになります……。