妻から教えられた「ありがとう」のチカラ

ラグビー元日本代表、吉田義人氏。1969年生まれ。秋田工業高校、明治大学で全国制覇。大学卒業後は伊勢丹に入社。仕事とラグビーを両立させる傍ら、筑波大学大学院で修士号取得。その後フランスリーグ、コロミエに入団。日本人初、1部リーグのプロ選手となる。2004年に現役引退。横河電機ラグビー部ディレクターなどを経て、09年明治大学ラグビー部監督に就任。12年には14年ぶりとなる関東大学対抗戦優勝を飾った。今年3月に退任。現在は7人制ラグビーの普及活動に取り組む。

「妻への感謝の気持ち、ありがとうという言葉はつねに口にしています。ありがとうという言葉は幸せを運ぶ言葉。妻と僕の間ではあいさつのような言葉になっていますね」

そう話すのは、元ラグビー日本代表の吉田義人氏だ。明治大学ラグビー部では1年時からレギュラーを獲得し、4年時には大学日本一の栄光を手にする。大学卒業後も世界選抜選出や、フランスリーグでプロデビューを飾るなど、プレーヤーとして誰もが認めるほどの輝かしい成績を残した。引退後は指導者として活躍し、2009年からは明治大学ラグビー部の監督に就任。4年目となった昨年に、同校を14年ぶりの関東大学対抗戦優勝へと導き、有終の美を飾ったことは記憶に新しい。

そんな吉田氏の奥さまは、シンガーソングライターの大西亜里さん。2008年の7月に結婚、翌年4月には第一子となる男児を出産。吉田氏が「ありがとう」という言葉を大切に思うようになったのは、奥さまの存在が無関係ではない。

「妻は独身時代にデビューしていましたが、結婚する前にどうしてもアルバムを出したいと言っていました。デビューするまで支えてくれたすべての人たちへ、感謝の気持ちを伝えたいというのがその理由でした。そうしてできたアルバムが『幸せの言葉』というタイトル。幸せの言葉とはなにかというと、それが“ありがとう”だったんです。ありがとうという気持ちがあふれる世の中になって欲しいという思いを込めてつくったそうです。それからかもしれませんね、僕がありがとうをよく口にするようになったのは」