「いっそ、もっと、輝こう。」のキャッチコピーが印象的な三井住友VISAプラチナカード。その名を冠に称する「三井住友VISA太平洋マスターズ」が、今年もいよいよ11月に開催される。このトーナメントを制すること3度、賞金王4度の栄冠に輝く中嶋常幸。昨年初の賞金王に輝いた藤田寛之。頂点を極めた二人が、さらなる高みを目指し、もっと輝くために大切にしている思いを語り合った。
【中嶋】今回、僕らが対談するきっかけになっているのが「三井住友VISA太平洋マスターズ」。僕は何度か優勝させてもらっているけど、藤田君はまだ勝ってないよね。
【藤田】はい(笑)。静岡は地元だし、御殿場のコースは本当に素晴らしい。一流が集う大会で何とか勝ちたいですね。中嶋さんは過去3回優勝。最初の優勝の1985年、確か18番の第2打のバンカーショットは2番アイアンでした。残り200ヤード以上あるのに、よくグリーンオンできましたね。
【中嶋】覚えていてくれたんだ。あの日は雨で、それがラッキーだった。バンカーが締まっていたから、「これならいける」と思って打ったんだよね。
──早速、印象的なエピソードを聞かせてもらいましたが、「ゴルフは人生に一番似たスポーツ」とも言われます。プロのお二人はどう思われますか。
【中嶋】ボールがしっかりフェアウェイのど真ん中にいって「ナイスショット!」。でも、それがディボット※の跡にはまってしまうこともある。必ずしもナイスショットが良い結果にはつながらない。これは人生も同じでしょう。順調にいっていた仕事の流れが、ちょっとしたことで変わってしまったり。良かれと思ったことが裏目に出たり。
【藤田】本当ですね。あとゴルフにはミスも付き物。「もう一度打ち直したい」と思ってもできないわけで。失敗をしても、前に進んでいくしかない……。ただ、状勢は厳しくなるけれど、まだ挽回するチャンスはある。それを信じて黙々とプレーを続ける。これも人生と似ているかもしれません。
【中嶋】そう。諦めずに前に進んでいくと、“プレゼント”がもらえるんだよ。もう一回挑戦する機会がちゃんと巡ってくる。では、諦めないためにどうするか。強い選手を見ていると、いわゆるルーティン、スイングまでの一連の動作がしっかり固まっている。あとは抜群の集中力。こうした土台があって、それに気持ちが加わるから、「ここぞ!」というときに闘えるわけだ。最初に話したバンカーショットも、天からのプレゼントだったのかもしれないな。
※ショットなどを行った際に削りとられた芝の断片