少子高齢化がさらに進み現役世代が減少していくこれからの社会では、一人一人がいかに長く、元気に活躍できるかが重要な意味を持つ。健康な心身を維持し、十分なパフォーマンスを発揮するためには、自身に適した予防やケアを取り入れていくことが大切だ。その実践を後押しする「健診」を活用して、健康寿命の延伸、QOL(生活の質)の向上につなげたい。

健康への関心は高いがなかなか減らないメタボ

「2023年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況」(25年5月、厚生労働省)によると、23年度の特定健康診査(メタボ健診)の対象者は約5210万人、受診者数は約3123万人だった。実施率は59.9%で、メタボ健診が始まった08年度以降、最も高い数字となった。健診の後、メタボリックシンドロームのリスクのある40歳から74歳までを対象に行う特定保健指導の実施率については27.6%。こちらも過去最高となった。

「メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍」の対08年度比の減少率は17.2%で、22年度より1.1ポイント向上した。少しずつ改善傾向にあるものの、国が目指した「特定健診・特定保健指導の実施率を23年度までに70%以上・45%以上」「メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の数を23年度までに08年度と比べて25%以上減少」とは大きなギャップがあった。また、「令和5年国民健康・栄養調査」(25年3月、厚生労働省)の結果では、肥満者の割合は男性31.5%、女性21.1%と報告されている。この10年間で女性に有意な増減は見られないが、男性は有意に増加した後、有意な増減は見られないという。足踏みが続く状況から、生活習慣病の予防、改善がいかに難しいかが分かる。

さらなる健康増進に向けて健診の仕組みが変わる

このような状況もあって、さらなる健康増進、健康意識の醸成、重症化予防の充実などが求められている。そうした中、全国健康保険協会(協会けんぽ)は、2026年度から健診体系の見直しを図る。

これまで35歳以上の被保険者を対象とした生活習慣病予防健診、40歳以上の被扶養者を対象とした特定健診、特定保健指導に注力してきた保健事業を拡充する。主な変更点として、まず就労などによって生活習慣が変化する20歳、25歳、30歳の若年層の被保険者についても、新たに生活習慣病予防健診の対象に含めることとした。検査項目については胃・大腸がん検診の検査項目を除いたものとなる。そして、「人間ドックに対する補助」が実施される。35歳以上の被保険者を対象として、一定の項目を網羅した人間ドックについて最大2万5000円が補助される。

生活習慣病予防健診の項目についても見直される。追加項目として、40歳以上の偶数年齢の女性を対象に骨粗しょう症検診を実施する。また、問診の結果、50歳以上で喫煙指数(一日の喫煙本数×年数)が600以上の者を対象に、肺がんなどの有無を調べる喀痰細胞診が行われる。

従来、40歳から5歳刻みで一般健診に追加可能としていた付加健診については、一般健診と付加健診を統合した「節目健診」として新設される。腹部超音波検査、眼底検査、肺機能検査、詳細な血液検査によって、疾患の早期発見、治療へとつながることが期待できる。27年度からは被扶養者に対する健診も拡充され、被保険者に対する見直し後の人間ドックや生活習慣病予防健診と同等の内容となる予定だ。

人的資本経営、ウェルビーイングへの注目度の高まりが示すように、企業の成長や持続可能性と従業員の健康は切り離せない関係にある。その後押しとなる健診の役割は、ますます重要なものとなっていく。

資料請求&プレゼントのご案内

本特集の協賛企業様の資料をご希望され、アンケートにお答えいただいた方の中から、抽選で3,000円分のギフトカードを5名様にプレゼントいたします。以下よりご応募ください。