皮膚に関するアレルギー予防

では、本当に意味のあるアレルギー予防法はどういったものでしょうか。

まずは「過度な清潔」「過度な不潔」を避けることです。アレルギーが現代社会で増えている原因は完全に解明されてはいません。わからないことがあるのは不安なので、「清潔になりすぎたせいではないか」などと言う人がいますが、わざわざ不潔にするほどの根拠はないでしょう。ダニやハウスダストは完全にゼロにはできません。動物の毛やカビを吸い込まないように、そして食べこぼしは取り除き、快適に過ごせる程度を目指しましょう。

また、特に乳幼児期に肌が赤くなっていたりブツブツしていたりしたら、清潔にして保湿し、必要に応じて皮膚科や小児科を受診しましょう。子どもの食べこぼし、大人の服についた食材が肌から入り込み、食物アレルギーになることを予防します。

そして、食品を皮膚につけないことも大切です。食べたり飲んだりできる食品なら肌に塗っても大丈夫だし、肌によいと考える人がいますが、じつはそうではありません。2011年には「茶のしずく石鹸事件」といって、石鹸に加水分解コムギが入っていたことが原因で、それまで日常的に小麦を食べていた人たちに小麦アレルギーやアナフィラキシーが起こったのです。加水分解されて小さくなった蛋白質を肌に塗らない、○○エキスなどはパッチテスト程度から使う、擦り込んだりマッサージしたりしない、特に肌のバリア機能が落ちている部分にはつけないことが大事です。

食事におけるアレルギー予防

一方、食事はというと、生後5〜6カ月からはさまざまな食品を食べ始めることが大切です。もちろん、特定の食品にアレルギーがある場合は除去しますが、前もって幅広く除去食にするのは逆効果です。

アレルゲンとなる食材
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例えば、卵やピーナッツなどの代表的なアレルゲンの摂取を遅らせたり避けたりすると、むしろアレルギーになりやすいことがわかっています。むしろ、適切な時期から多様なものを食べることで、「経口免疫寛容」といって少しずつ体が慣れるという作用が起こり、アレルギー予防につながります。

また、血液検査(IgE検査)で数値が高くても、必ずしもアレルギーがあるということではありません。実際に食べても症状が出ない場合は、数値が高い食材でも食べたほうがいいでしょう。特に子どもは体を作っている途上なので、幅広くいろいろなものを食べるべきなのです。

日本アレルギー学会、欧州アレルギー学会、アメリカアレルギー学会も、IgG検査はアレルギー診断に使用するべきではないと言っています。IgGはその食品の摂取歴を表していて、よく食べるほど高値になりやすく、アレルギー症状とは無関係だからです。それでもIgGが高かった食品をやめたら体調が良くなった場合、グルテンフリーと同様に、小麦を使った加工食品やお菓子やジャンクフードが減ったからという理由かもしれません。