子どもに使ってはいけない抗菌薬
子どもに飲ませてはいけない薬は他にもあります。何らかの細菌に感染した際に使う「抗菌薬」は、注意が必要な薬の一つです。
特に生後1カ月までの新生児では控えなくてはいけない薬が多いのです。ST合剤のバクタやクロラムフェニコール系のクロロマイセチンは使いません。ST合剤に含まれるスルファメトキサゾールが体内のアルブミンと結合することで脳に損傷を与える「核黄疸」を起こす危険性があったり、クロロマイセチンの排泄ができず血中で高濃度になってしまい致命的な副作用「グレイ症候群」を起こすかもしれないからです。
また、8歳までの子どもにはミノマイシンなどのテトラサイクリン系抗菌薬は飲ませないようにしましょう。歯の発育障害が起こり、黄色くなってしまうためです。
さらにタリビット、クラビット、レボフロキサシンなどのニューキノロン系抗菌薬は、子どもの腎臓によくないうえ、動物実験で関節軟骨に悪影響が出る場合があったりすることと、子どもの細菌感染症では他の系統の薬で代替ができることから、第一選択薬にはしません。骨の成長が終わる15〜18歳くらいまで使用は控えます。ただし、ニューキノロン系抗菌薬のクラビット点眼薬などは局所にしか影響がないため大丈夫です。
鎮咳薬と抗ヒスタミン薬と止瀉薬
咳を鎮める「鎮咳薬」、アレルギーを抑える「抗ヒスタミン薬」も注意が必要です。
フスコデ、カフコデなどのコデインリン酸塩(商品名:リン酸コデイン)は中枢性の咳を抑える鎮咳薬ですが、呼吸抑制作用があるので12歳未満には使いません。
アレルギー性鼻炎や風邪などによって鼻水が出ているときに、その分泌を少なくする目的で出されることの多い抗ヒスタミン薬は、子どもに使えるものもありますが、ケトチフェンフマル酸塩(商品名:ザジテン)は飲みすぎたときに興奮してしまったり、けいれんを起こしたりすることがあるので使いません。第一世代の抗ヒスタミン薬であるピレチア、ヒベルナは、呼吸抑制作用があるので2歳未満には使いません。
また、下痢を止める「止瀉薬」は、特に2歳未満には禁忌です。ロペラミド(商品名:ロペミン)は小児用細粒があるので、子どもにも安全に使えると思う人が多いでしょう。でも、腸の動きを止めてしまいイレウスのような症状を起こしたり、中枢神経に作用して呼吸抑制や昏睡状態を起こしたりすることがあります。子どもの嘔吐や下痢が続く場合、小児科を受診しましょう。飲んだり食べたりできない場合は、点滴が必要だったり入院しなくてはいけなかったりします。
最近の『日本小児科学会雑誌』に、3歳児にイミダゾリン系点鼻薬を使用したところ、意識障害や嘔吐などの中毒症状が現れたという事例が載っていました。これは処方薬によるものですが、ナシビン、コールタイジン、ナザール、アルガードといった商品名で薬店でも購入可能なので、7歳未満に使用しないよう注意が必要です。


