「模試の結果」に一喜一憂してはいけない

9月以降は毎月のように合否の確率が出る模試があり、志望校別模試や記述特化型など、出題形式に踏み込んだ実践模試も増えてきます。この時期に大切なのは、模試の点数や偏差値に一喜一憂することではありません。「どこで、なぜ間違えたのか?」を塾や家庭教師と共有し、それを家庭学習に反映させていくことです。

実際私も「9月も過ぎたのに、過去問のこんな問題も解けないなんて……」と1人で悩み、焦りに押しつぶされそうになることもありました。

でも、そんなときほど塾の先生に相談しました。第三者の視点が入るだけで、つまずいている理由がクリアになり、親の気持ちも整理されます。家庭の中だけで悶々としていると、親の主観が強くなりすぎて、本来の学習の目的や、子どもの良さを見失いかけてしまうことがあります。親が冷静でいるために塾を頼ることは、決して弱さではなく、最良のパートナーシップの形です。

また、受験本や教育コラムには、「子どもを責めないようにしましょう」とよく書かれています。私も、何度も目にしてきましたし、指導者という立場の私は、むしろそれを言う側でもありました。でも、正直な話をすれば――わかっていても、できないときがあるんです。

親が怒ったところで、成績は伸びない

前にも書いたように息子が過去問の解答を書き直し、点数をごまかして私に持ってきたことがありました。解答欄に残る消した跡に一瞬怒りを覚えましたが、冷静に問いただしたところ、彼は少し黙ってからこう言いました。

ユウキ先生『中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(KADOKAWA)
ユウキ先生『中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(KADOKAWA)

「……だって、この点数じゃ怒られると思って」
「本当は、もっとできるって思われたかった」

その瞬間、私は言葉を失いました。受験直前になり、さらに強く芽生えた息子の中にある恐れと、親の期待に応えたいという気持ちを考えるとなんとも言えない気持ちになりました。

これ以降は特に、私は「点数」よりも「子どもとの向き合い方」を意識するようになりました。点数が低くてもそのプロセスの中に成長があったのか。同じミスをしても、今回はどう考えて、どう迷ったのかを聞いて、子どもが正直に振り返る習慣を作ることが、受験直前でも安心して勉強に取り組み、本番では立ち直れる力につながると信じて向き合ってきました。

親の感情が揺れるのは当たり前です。でも、その感情に飲まれてしまうか、踏みとどまれるかが、この数カ月で子どもが得る安心の質を決めると思います。