「低温物流事業」を担うニチレイロジグループにおいて、基幹事業会社と位置付けられるロジスティクス・ネットワーク。「NL+LiNk」は、全国12社・32カ所の小売事業者専用チルドTC(Transfer Center)を運営する同社リテール事業本部が展開するサービスだ。関東支店長の伊藤和実氏が現状を説明する。
株式会社ロジスティクス・ネットワーク
執行役員
リテール事業本部
関東支店長
「リテール事業本部では1993年から、メーカーさまや卸業者さまがTCに商品を納品し、そこから先の仕分けや各小売店舗さまへの配送は当社が行う専用センター化を推し進めてきました。ドライバー不足などで“運べないリスク”が高まり続ける現在、メーカーさまの課題は“そもそもセンターまでの個別の物流をどうするか”へとシフトしています」
そこで「TC間をつなぐ」ことで物流網を大きく進化させる「NL+LiNk」が整備された。まずは、トラックの移動距離の長さなどを要因として、物流課題の顕在化が著しい東北エリア12拠点によるネットワークで運用中だ。「12拠点のうちのどこか1カ所に納品していただければ、ニチレイロジグループが全てのTCへ輸送し、小売店さまへ配送します」
東北エリアでの成果を基に順次広域での本格稼働へ
リテール事業本部長の植原徹氏は「われわれの仕組みのいいところをさまざまな事業者にも使っていただき、互いの効率化につながれば」と述べる。
株式会社ロジスティクス・ネットワーク
取締役 専務執行役員
リテール事業本部長 兼
リテール開発部長
「東北の小売業を中心に、物流企業も参画する『東北物流みらい研究会』にロジスティクス・ネットワークも名を連ねています。商品調達リスクという共通の課題を抱える中で、企業横断型で協力して物流問題を解決できればと発足したものです。この研究会での活動を生かして他社拠点も活用し、さらに網羅性を高めていく計画です」
例えば、地場メーカーの優れた商品があって広域に展開したいが、物流網がないために販売がかなわない――。そんなケースも「NL+LiNk」を使うことで、新たなビジネスチャンスをつかむ足掛かりとなる。東北エリアでの成果をベースに、関東エリア12 拠点、関西・中四国エリア8拠点での「NL+LiNk」本格稼働も順次実現させていくという。植原氏は言う。「これからもライフラインである食品物流を支え続けるために、全国ネットワーク構築を目指します」