ものづくり以外の集積も進め多様な企業の協業を後押し
「名古屋地域はものづくり産業の集積地として日本経済をけん引する役割を果たしています。自動車や航空・宇宙、工作機械など、さまざまな分野の企業が極めて高い技術力、生産力を有しており、その競争力は世界レベルです」
名古屋市長
1963年生まれ。86年慶應義塾大学経済学部を卒業し、ブラザー工業に入社。マグノリア代表取締役、キングソフト代表取締役などを経て、2011年愛知県議会議員、17年名古屋市副市長。24年より現職。
広沢市長はそう説明する。事実、都道府県別の製造品出荷額等で愛知県は46年連続日本一(※1)。名古屋港からの輸出額は16兆円以上で港湾では26年連続日本一(※2)という抜群の実績である。
ただ見逃せないのは、現在名古屋地域がAIやIoTといったデジタル分野をはじめ、ものづくり以外の分野の産業集積も前向きに進めている点だ。
「社会、経済の変化に対応し、新たな産業もしっかりバックアップしていきます。名古屋が元気になることで日本全体が元気になる。そうした思いでまだまだ成長の途上にある名古屋地域の潜在力を引き出していきたい」と広沢市長は力を込める。
多様な企業が連携、協業できる環境を整え、さらなる経済成長を促していくことが名古屋市の狙いだ。ITを含めた多くのサービスは無形ではなく、何らかの「もの」を通じて提供される。その意味で、ものづくりの技術が蓄積している名古屋地域の優位性はやはり高い。デジタル関連をはじめ、あらゆる分野の企業にとって名古屋地域への進出は有望な選択肢となるわけだ。
※1 総務省・経済産業省「経済構造実態調査結果」(2023年)より。
※2 名古屋税関「管内貿易概況(確々報)」(2024年)より。
“生活の質”を高めるのにも名古屋は絶好の場所
リニア開業に向けた名古屋駅地区、栄地区などの動きも注目だ。この10年で多くのビルの建て替えが行われ、再開発も進行するなど、オフィス環境、ビジネスインフラの整備が進んでいる。
「リニア開業によって東名阪間の移動時間は大幅に短縮される。現在でも東京、大阪への近さを名古屋の利点と評価する企業は多く、そのメリットがさらに向上することになります」と広沢市長は言う。そして次のように続けた。
「東京一極集中の是正が叫ばれる中、名古屋の暮らしやすさは今後いっそうクローズアップされるに違いありません。東京、大阪と比べて住宅コストが低く、通勤時間も短い。レジャーの場も豊富です。私自身ウインドサーフィンを趣味にしていますが、車で30分ほどの場所で十分楽しめます。社員の“生活の質”を高めることは今や重要な経営課題です。18歳までの医療費の無料化や子どもの居場所づくりなどにも力を注ぐ名古屋市は、豊かな生活を送るのにも絶好の場所です」
高度な産業集積、充実の都市機能、そしてゆとりある生活環境――。確かにこれらをバランス良く兼ね備えたエリアは、国内で決して多くないだろう。

一方、名古屋地域は人材確保の面でも高いレベルでニーズに対応する。名古屋市内の大学数は19校、学生数は10万人超で、共に20政令指定都市の中で2番目に多い数字だ(※3)。
「東海地方全域から学生が集まっているのが特徴で、名古屋大学や名古屋工業大学、名古屋市立大学など、多様な大学が優秀な人材の供給源となっています」
※3 文部科学省「学校基本調査」(2024年)より。
名古屋での経営を具体的にイメージできるイベントも
実際、名古屋に拠点を置く企業はその魅力や長所について次のように話す。
「取引先との交流がとてもスムーズ。東京―大阪だと躊躇する出張も、名古屋―東京、名古屋―大阪だと気軽に行き来できる」「ものづくりが盛んなので関連する情報が集まってくるのも大きな魅力。また今は、情報発信も東京からでないとできない時代ではない」「航空・宇宙産業の人材がやはり豊富。エンジニア系から手先が器用な職人までそろうのは日本で名古屋くらい」
まさにどれも他の地域ではなかなか得られない独自の特徴といえるだろう。
名古屋では地域内外の企業の可能性を広げる取り組みも盛んだ。異業種交流、またスタートアップとの交流を促すイベントが開催され、名古屋市が行政施設などを社会実験のフィールドとして提供する取り組みも行われている。地域に蓄積された技術や知見も活用しながら、イノベーションや新たな事業を創出したい。そうした考えを持つ企業にとっては非常に恵まれた環境だ。
そしてこの10月には、名古屋のビジネス環境などを紹介する「名古屋ビジネス進出セミナー」も開催される。最後、広沢市長は次のように呼びかける。
「セミナーでは、名古屋での成長戦略や名古屋で暮らすこと、働くことにフォーカスしたパネルディスカッションなどを予定しています。自分たちなら名古屋の環境をどう生かすか。ぜひ、具体的にイメージする機会にしていただきたいと思います」
名古屋ビジネス進出セミナー(リアル・オンライン)
2025年10月20日(月)15:00~18:10
会場:ステーションコンファレンス東京 サピアタワー5F
【プログラム】
・名古屋市長によるプレゼンテーション
・基調講演
・パネルディスカッション①
・パネルディスカッション②
・ビジネス交流会