開成生の親の特徴は自分の世界があること

――いろいろとお話をうかがっていますと、開成というのは生徒と先生の距離がすごく近く、それも生徒のモチベーションを上げる一因なのではないかと思ったのですが、いかがですか?

中﨑それはあると思います。授業以外でもいろいろ話したり、一緒に活動したりする時間が多いです。

鎌田教員同士の距離も近い(笑)。上下関係もほとんどありませんし、風通しがいいから、みんな楽しく仕事をしています。

佐藤教員が生き生きと仕事をしているかどうかというのは、実はすごく大事だと思うんです。教員の活力というのは、その学校の活力に直結しますからね。私事ですが、うちは妻も教員なんですね。二人とも楽しみながら仕事をしているように見えたのか、娘が「私も教師になりたい」と言ってくれたときは本当に嬉しかった。

中﨑それは嬉しいですね。

折り紙研究部の活動の様子
折り紙研究部の活動の様子。同部が中心になって2018年に日本中高生折り紙連盟が設立された。

――最後に、小学生のお子さんを持つ親御さんに対して、何かアドバイスをいただけますか?

鎌田開成の教員は、生徒の親御さんたちと飲み会も含めていろいろと交流する場が多いのですが、開成生の親御さんというのは、自分の時間、自分の世界をしっかりと持っている人が多いな、と感じますね。一人の人間として、仕事はもちろん、好きな趣味に没頭しているとか。

佐藤それってすごく大事ですよね。生徒たちにとっては教員や親はもっとも身近な大人のモデルですから、まず親が楽しそうに人生を生きるというのは、子供の成長にとって大事なことだと思います。

中﨑その流れで言うと、子供がメンタル的に前向きになれない、勉強にも学校活動にも意欲が持てないとなってしまう原因は、親の過干渉にある場合が多いようです。で、過干渉になりがちな親というのは、例えば自分の世界がなくて、子供が自分の唯一の作品みたいな考え方に陥ってしまうんですね。そうなってしまうと、親子関係もおかしくなってしまう。

開成中学校・高等学校 広報担当 鎌田 亨先生
開成中学校・高等学校 広報担当 鎌田 亨先生(1994年卒)

鎌田幸い開成の場合、親同士の距離も近くて、親同士で勝手に盛り上がってくれている。思春期男子の子育ての悩みも共有しているようです。うちの両親は高卒と中卒で、私が開成に入るときに「開成生の親になるのは荷が重い」とボヤいていましたが、入るとすぐに溶け込んでいました(笑)。

中﨑親同士が一緒になって、運動会の必勝祈願に行ってみたり(笑)。

佐藤保護者の地域別の開成会や外国籍の親の会というのがあって、異学年の親同士が情報交換しています。まあ、親同士が盛り上がってくれたほうが、結果的に親と子供との距離が適正に保たれるという部分はありますね。子供にべったりにならないというか。野水校長も、そうした保護者の会に呼ばれて情報交換に貢献していますよ(笑)。

※本稿は、『プレジデントFamily2025夏号』の一部を再編集したものです。