2020年「英語」が小学生の通知表の対象に!

公的な英語教育の低年齢化が進んでいることをご存知だろうか。2008年度から公立小学校での「外国語活動」が始まり、2011年度に「小学5年生から必修」となった。そしてオリンピックが行われる2020年には、英語教育の開始年齢が更に引き下げられ、内容も厳格化されることが決まっている。

具体的には英語は「小学3年生から必修」になり「小学5年生から教科」になる。つまり3年生からは必ず英語を学び、また5年生からは国語や算数のように、テストを行い成績もつける「教科」となるのだ。

こういった英語教育の早期化傾向について、大多数の親たちは好意的に反応しているようだ。英会話教室を運営するイーオンが4月14日に発表した調査結果によると、英会話学校に子どもを通わせていない親も含めた約78%が賛成し、うち14%の親は「もっと学習開始年齢を引き下げるべきである」と回答したという。(注1)

バイリンガルの親はわが子の英語教育に距離を置く

今後ますます低年齢化が加速しそうな英語教育。昨今では胎教から英語を取り入れ、1歳児から英語学校に通わせる親も珍しくない。

ところが、驚くべきことに自身がバイリンガルの親たちを見てみると、実は誰もが熱心に早期英語教育に励んでいるわけではない。それどころか自らが高い英語力を身につけているからこそ、早期英語教育に対して適度な距離感を保っていることが多いのだ。

筆者が英語の専門出版社に勤務していた頃、同僚や著者は日英バイリンガルが多かった。しかし彼らは総じてわが子の英語教育に対して冷静だ。英語を武器に仕事をし、バイリンガルである恩恵を十分に受けているはずの彼らが、わが子の英語教育に夢中にならないのはなぜか? 彼らの考えを聞いてゆくなかで、3つの理由が明らかになってきた。