2013年7月2日(火)

完璧主義者はなぜ組織のガンになるのか

上司の謎、部下の落とし穴

PRESIDENT 2012年12月17日号

著者
岡田 尊司 おかだ・たかし
精神科医

岡田 尊司1960年、香川県生まれ。京都大学医学部卒。精神科医、作家。山形大学客員教授。『あなたの中の異常心理』(幻冬舎新書)など著書多数。新著に、『母という病』(ポプラ社)。

精神科医 岡田尊司 構成=プレジデント編集部 撮影=浮田輝雄
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職場でよく見かける完璧主義者には2種類ある。「生真面目型」と「自己愛型」だ。どちらも仕事に対して高い理想を持ち、自分が目指す100点の状態以外はすべて失敗と受け止めてしまう特徴がある。しかも自分のやり方がベストだと固く信じ、他人にも押し付けるため周囲への影響は大きい。

生真面目型のなかには、精神医学で執着気質、あるいは強迫性パーソナリティと呼ばれる人もいる。彼らはうつになりやすい典型的なタイプとされる。あらゆることを自分でコントロールしようとするため、思い通りにならなかったときに大きなストレスを感じるのだ。親や教師の言いつけに忠実な優等生だった人に多く、完璧であろうとする努力が報われる経験を重ねてきたことで、そのスタイルが強化されたといえる。

手抜きや妥協ができず、融通がきかないのだが、平社員のうちは害はない。むしろ仕事熱心で評価は高いほうだ。とくに、言われたことをきちんとこなすことが求められる日本的な企業風土では、出世しやすい傾向にある。

ところが、このタイプが管理職になると部下が窮屈な思いをすることになる。よい部分よりもできていない部分に目がいく減点主義なので、部下に任せた仕事でも細かく口出ししてしまうのだ。そんな上司がいる職場では部下は育ちにくく、やる気のある優秀な人ほど離れていってしまう。自分の仕事の粗探しばかりされて、うつになる部下も多い。

また前例主義の考え方が強く、変化に対応することが苦手だ。今のような変化の激しい時代に重要なポジションに立つと、組織を停滞させてしまいかねない。

ただ、このタイプは悪い点を指摘されたら、それも真面目に反省する。部下にうつや離職者が出た際に、さらに上の立場にある人間がそのことを諭し、管理職としての成長を促すことが必要だ。

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