(PIXTA=写真)

目立つのはCさん自身も言うように「教育費」だ。長女が通う私立中学校の授業料はともかく、2人ともが塾へ通い家庭教師もつけている。長女がピアノ、長男がサッカーを習っており、ピアノの発表会や夏期講習がある月は赤字になるとのこと。この先もっと教育費がかかることを考えて、家庭教師はやめて塾1本に、かつ必要科目を絞った。また本人たちがピアニストやサッカー選手を志しているわけではなかったので、受験までは習いごとをセーブ。毎月11万円が浮いた。

「娯楽費」も多すぎた。「子どもが大きくなったら家族での思い出づくりもできなくなる」との思いから、頻繁に週末旅行などに出かけていたという。思い出づくりが悪いとは言わないが、お金のかからない方法もあるはず。遠出は控えることで2万3000円の削減となった。

そのほか保険の項目で夫の死亡保障を減らす、夫の小遣いや夫婦のワイン代を一部削って約10万円が貯蓄に回るようになった。年間では約130万円。定年までの15年間に2000万円近くが貯まる。これを子どものためではなく、自分たちの老後資金と考えよう。

「生命保険料」には子どもの学資保険も含まれており、大学入学時には1人200万円が確保できていることになる。大学4年間にかかる費用は私立の場合でも約500万円。すると、子どもに必要なのは1人あたりあと300万円で計600万円だ。これは現在の貯蓄でまかなえる。

60歳の時点で住宅ローンの負担がなく、金融資産が2000万円あれば、老後は何とかなりそうだ。それでも不足する心配があれば、下の子が中学生になった時点で妻が働くか、60歳すぎても夫が働けばいい。

私の家族は北海道にいる。私は東京と北海道を行ったり来たりの生活をしているが、北海道と東京を比べると「東京だから教育費がかかる」のではなく、「東京には教育にお金をかけなくてはいけないと思っている親が多い」と感じる。

教育費は投資であり、それができない親は子どもに対して申し訳ないと思っているのだ。はたしてそうだろうか。子どもにお金をかけすぎると、子どもの金銭感覚もズレてくる。