年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。小売業に分類された332社から抽出した。業界トップは10年に通販会社と金採掘会社が合併してできたジパング915万(平均年齢45.2歳、従業員数19人)。11年に通販を売却し、金採掘専業に。

不振に喘ぐ百貨店、勢いあるコンビニ

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長い販売不振に喘ぐ百貨店は、売り上げ減ないしは横バイの中でも増益傾向を示すようになってきた。本格的な回復に結び付けたいところだ。ただし、主要各社の2011年度の売上高営業利益率は2%前後。コンスタントに15%前後を維持している「ユニクロ」のファーストリテイリングとは比較にならないほど低率。

業界再編とは距離を置いていることから比較可能な高島屋の例で、百貨店の推移を振り返ってみよう。

高島屋の01年2月期の単体ベース売上高はおよそ1兆円、従業員数もほぼ1万人だった。それが11年度は、売上高が約6700億円、従業員数は5200人弱。10年余りで売上高は3割減、従業員は半減だ。

その間、人件費総額も1034億円から614億円と、およそ4割削減。一時期は、人件費の総額減にもかかわらず人員減もあって、平均給与が700万円に迫ったこともあったが、11年度の636万円は、01年度を下回る水準である。

一方、勢いを感じさせるのがコンビニ各社。ローソンは700万円台に到達、ミニストップは対前年度比で100万円を超す増額である。ローソンは、「業績好調による賞与引当金分が増加」と自ら説明しているように、ボーナスアップがあったことは確実。ミニストップは単体ベースの従業員が微減にもかかわらず、人件費総額が4%増になったことが、平均給与アップの要因と推定される。