プロは子供にも企画の相談をする

企画のプロとアマチュアには明確な違いがあります。それはプロは「誰かと会って」企画を考え、アマチュアは「1人で」考えることです。プロにも一流と二流の差があって、一流は「相談する相手を選ばない」のに対し、二流は「相手を選び」ます。

プロでも企画を1人で考える人はいますが、慣れて上級者になったか、そうせざるをえない状況にあるかです。企画をつくり慣れている人であればあるほど、「企画を考える=人と会う」になります。

なぜなら企画は人と人との間にできるものだから。何となくやりたいことや困っていることを人と話していくなかで、自分のやりたいことが明確になってきます。

ですからいきなり企画書を書こうとするのではなく、まずは目の前の人に話してみましょう。言葉を発しない限り企画は動きません。相手は奥さんや親兄弟でもいいし、自分の子供でも構わない。

僕は散髪している最中に理容師さんに相談したりします。発想が面白い人や、頭がよくて自分の言いたいことをすぐ理解してくれるような人は、むしろやめたほうがいい。僕のやっている仕事がまったくわからない人にわかるように説明しているうちに、自分の口から意外な言葉が出てきて企画のきっかけになったり、解決のヒントが見つかったりするのです。

一番よいのはお互いに企画を相談し合うチームをつくることです。チームといっても専任である必要も同じ職業である必要もなく、いつもお互いの企画について話せる仲間を持つということです。ずっとやっていれば「こいつと話すと発想がよく浮かぶ」という相棒も見つかってくるでしょう。

チームをつくるのは積極的に他人の企画の相談に乗る目的もあります。そうすれば自分が企画を考える訓練にもなるからです。自分の企画ばかり考えていると、当事者であるがゆえに面白いアイデアが思いつかなくなってしまいます。

チームで企画を相談するときは、こんな方法がお勧めです。話し合うテーマを決めたら、各自が自分の考えた企画ごとに紙を1枚用意し、そこにアイデアを3行くらい書いておきます。つまらないアイデアでまったく構いません。